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中学生のうちから考えるべき文系・理系の選び方について解説!

中学生のうちから考えるべき文系・理系の選び方について解説!

日本の大学入試では、文系・理系と分かれて受験することが一般的です。文系とは歴史や文学など人間の活動を主な研究対象にし、理系は自然界の現象などを研究します。

大学に進学して学んだ内容はその先の就職活動に直結します。つまり文系か理系かの選択は、大学生活だけでなく、将来就くことになる職業、ひいては人生に大きな影響を持ちうる大変重要なものです。

この大切な文理選択ですが大学入試の際に決めれば良いというわけではありません。多くの高校の場合は高2から文理で別れて授業が行われるため、高1の終わりごろには決めなければなりません。

そして高1の間に余裕をもって文理選択を考えるためには、できれば中学生のうちから文理について考えておくことが理想です。

今回は、文系・理系についてそれぞれの特徴を挙げながら、文理の選び方を解説します。

「文理選択」について

まずは文系か理系かを選ぶ「文理選択」について基本的なことを知っておきましょう。文理選択がどれぐらい重要なのか分かれば、早めに考えておこうというモチベーションが生まれます。

高1の終わりごろには、文系か理系かを決める場合が多い

高1の段階では、中学校で習った内容の周辺を学ぶことが多く、英語・数学・国語に加えて、理科・社会を含め5教科を広い範囲で習います。そして高2からは文系・理系に分かれて、それぞれをより深く専門的に学んでいきます。

高2でカリキュラムが文理に分かれるため、文系か理系かを高1の終わりごろに決める必要があるのです。

中学生のころから考えておくとよい

高1の終わりごろに決めるためには、高校に入ってからの1年間で文系に進むのか理系に進むのかを考えることになります。1年間と聞くと余裕があるように感じるかもしれません。

しかし、高1の1年間はすぐに過ぎてしまいます。新しい友人との出会い・新しい生活が始まる学年で、部活動やアルバイトを始める人もいるでしょう。新しい環境にようやく慣れてきたと思ったら今度は期末テスト。そして気づいたら夏休みが終わり、もう秋。気づけば文理選択まであと2~3カ月ということにもなりかねません

そういう事態にならないよう、文理のどちらを選択するかは余裕をもって準備しておきたいです。できれば中学生の段階から、ぼんやりでも良いので文理どちらにするのか考えておきましょう。

文転・理転は難しいので、文理の選択はとても重要

文系・理系どちらに決めるかはとても重要です。なぜなら冒頭に述べたように、その後の人生に大きな影響を持つ可能性があり、一度文理を決めると後戻りしにくいからです。

進路を理系から文系に変えることを「文転」、逆に文系から理系に変えることを「理転」といいます。勉強が進むにつれ自分の適性に気付いたり、目指す職業が変わったりすると文転・理転を検討するようになります。

しかし、文転・理転はなかなかハードルが高く難しいです。国数英の3教科は文系も理系も入試で使うことが多いので影響は少ないですが、理科社会はそれまで勉強していたことをほとんどリセットすることになります。そしてイチから勉強し直さないといけません。

文転・理転はしないのに越したことはありません。どちらの方向に進めばいいのか、前もって自分の進路について考えを深めておきましょう。

文系について

次に、文系・理系が具体的にどのような勉強をして、どのような進路に進むことになるのか知っておきましょう。まずは文系について解説します。

高校ではどのような科目を勉強するか

文系に進むと、国語と英語、そして社会をメインに勉強することになります。国語は現代文だけでなく、古文や漢文も学びます。社会は、日本史や世界史、地理を勉強します。現代社会や倫理を選択する人もいます。

もちろんこれらを全て勉強するわけではありません。上記の中から1~2科目を選ぶのが基本です。英語については文系理系で扱う内容は同じです。文系科目は全体的に知識を身につける科目が多くあります。

どのような学問が文系とされるか

文系の学部には、文学部、法学部、経済学部などがあります。

文学部は文学作品などを読んで作品への理解を深めます。哲学や宗教の授業が開かれる場合もあります。

法学部は法律について学びます。ある法律がどのような考えや時代背景に基づいて作られたのかなどを勉強するのです。

経済学部は、経済学の理論つまりお金の流れについて学ぶ学部です。日本の大学では経済学部は文系として扱われることが多いですが、数学の知識も重視されるので注意が必要です。

どのような仕事に就きやすいか

文系は理系に比べて就職先の幅が広い傾向があります。公務員やマスコミ、金融関係などさまざまな業種への就職が考えられます。

文系の学問は、一言でまとめるならば「社会がどう成り立ち、どう回っているのかを学ぶ学問」といえます。文学や歴史、法律などを通じて社会への理解を深めるのです。社会の基本的な“仕組み“を理解している、少なくともそれを期待されているという意味で、文系の就職先は幅が広いのだと考えられます。

向いている人の特徴

この世界の仕組みに興味がある人、どのように成り立ち、どのような価値観で世界が動いているのか気になる人は、文系に向いているといえるでしょう。学校の歴史の授業を受けたり、テレビのニュースを見たりしているときに「どうしてこうなったのだろう」と疑問が湧いてくるなら、この特徴を持っています。

また、純粋に「小説が好き」とか、「文系科目が好き」という場合も文系に向いています。ここでポイントなのは「得意」より「好き」を大切にすること。大学では専攻している学問を自分で深めることになります。このとき、その学問に興味があるほうが当然深めやすく、楽しく研究できるでしょう。学校での成績がそれほど良くなくても、文系科目が好きなら文系に進むと良いでしょう。

理系について

続いて理系の特徴について解説します。中には文系と真逆の特徴もあるので、上の項と照らし合わせてみましょう。

高校ではどのような科目を勉強するか

理系は、数学と理科を深く勉強することになります。高校数学はⅠA、ⅡBそしてⅢCなどに分かれます。

ⅠAは二次関数や確率、平面図形のような中学で習った範囲を深める内容が中心で、基本的に1年生で勉強します。ⅡBは2年生で習うことが多く、微分・積分やベクトル・数列など、新しい専門的な内容を扱います。そしてⅢCでは複素数平面や極限、ベクトルなどの新しい内容や、ⅠA・ⅡBで扱った分野をさらに深める勉強をします。文系はⅠA、ⅡBまでを勉強するのに対し、理系はⅢCまで勉強する場合が多くあります。

また理科は、物理、化学、生物、地学に分かれ、その中から一つもしくは二つ選んで勉強します。科目によって差はありますが、理系の科目は文系に比べて覚える知識量が少なく、思考力や計算力がより求められます。

なお国語や英語も必修である場合が多く、特に英語は、理系の論文を書いたり読んだりする際に頻繁に使うので、文系と同等かそれ以上に重要だといえます。なお、紹介した科目や扱う内容は学習指導要領の改訂によって変わることがあるので注意してください。

どのような学問が理系とされるか

理系の学部としては、医学部や理工学部、農学部などが挙げられます。

医学部はその名の通り医学を学ぶ学部です。体の仕組みやさまざまな種類の病気とその治療法などを研究します。また、解剖の実習など実技科目も多くあります。

理工学部は、物理や化学の理論を研究する理学と、それに基づいてモノづくりを学ぶ工学を学びます。理学部、工学部が別れて設置されている大学もあります。

農学部は農業について学びます。農作物の生産・栽培に関する研究などを行います。

どのような仕事に就きやすいか

文系が職業選択の幅が広いのに対し、理系は自分の専門に特化した職業に就きやすいです。大学や企業の研究職や技術職、メーカーなどが代表的な就職先の例といえます。

理系の学問は、一言でまとめるならば「誰でも同じ結果が出るような理論や技術を探し求める学問」となるでしょう。数式や科学技術などは、条件が同じであれば世界中のだれがそれを使っても同じ結果が得られます。理系の学問を学ぶと、そんな理論や技術を生み出したり、利用する仕事に就くことが多くあります。

向いている人の特徴

数学や理科を勉強しているときに、「なぜこのような答えになるのだろう」などと次々に疑問が湧いてくる人は理系に向いています。大学に進学したり、就職したりしたときに、自分の専門分野を深く追究していけるでしょう。

また、数学や物理の公式を見て「なんだか美しいな」と感じる場合も理系の感性があるといえます。それから、パソコンが好きでプログラムを書くのが楽しい人も理系に向いています。昨今は多くの理系の学部で、プログラミングができることが必須条件として求められます。プログラミングに抵抗がある人は、理系に特別なこだわりがない限り文系に進むのが無難でしょう。

文系理系の選び方

文系理系の特徴を踏まえたうえで、実際に進路をどのように決めると良いか解説していきます。

好きな科目から選ぶ

学校の授業のうち、好きな科目があればそこから文理を選択する方法がおすすめです。国語や社会に興味があれば文系、数学や理科が好きなら理系という具合です。

上の項でも触れましたが、ポイントは「得意な科目」より「好きな科目」を優先すること。確かに得意な科目で文理を選べば受験では有利です。しかし大学へ進学、そして就職と長い目で考えると、好きな科目で進学先を選んだ方が上手くいきます。大学に進学すると、自分の専門を突き詰めることになりますが、「得意」なものより「好き」なものの方がずっと取り組みやすいのです。多少成績が良くなくても、好きな科目があるならばそれをもとに文理を決めてもいいでしょう。

就きたい職業から選ぶ

将来就きたい職業があるなら、それを参考にして文理を選ぶ方法もあります。分かりやすい例でいえば「将来は医者になりたいから理系に行く」という具合です。このように将来の目標がはっきりしている場合は、文系か理系か比較的迷わず決めることができます。

しかしこの選び方には注意点があります。それは、将来の夢にとらわれすぎて受験科目を全く考慮せず選んでしまうと、受験勉強や大学での勉強で苦労する可能性があること。先程の医学部の例でいえば、本当は理数系の科目が苦手なのに「医者になりたい」という理由で理系に行ってしまうと勉強面でとても苦労します。将来の夢だけでなく、勉強する科目との相性も考慮にいれましょう。

文系が目指しやすい職業

  • 法曹(裁判官・検察官・弁護士)
  • 公務員(一般行政職)
  • 税理士
  • 学校教員
  • マスコミ
  • 金融
  • 商社
  • コピーライター
  • 営業職
  • マーケティング
  • 広報
  • 接客業
  • 通訳
  • 図書館司書
  • 臨床心理士

理系が目指しやすい職業

  • 医師
  • 看護師
  • 薬剤師
  • 製薬
  • 食品
  • 化粧品
  • 電子部品、半導体
  • 土木、建築
  • プログラマー
  • データサイエンティスト
  • 研究職
  • 飼育員

どちらか決められないときは、学校の成績で判断する

どうしても文理選択が決められない場合、学校での成績を参考にして文理を決める方法もあります。単純に、文理のうち成績が高い方に進むということです。

ここでもし、文理の科目のうち両方とも好きとか、得意だというタイプであれば理系に進むと良いです。なぜなら、一般的に文転より理転の方がさらに難しいとされており、後で「文系の方が良い」となった場合に取返しがつきやすいからです。

理転の方が難しいとされている理由の一つとしては、文系に進むと数学が必修ではなくなることが多く、途中で理系に変えようとしてもその遅れを挽回するのが難しいことが挙げられます。それに対し両方とも苦手なタイプは、逆に文系に進むと良いでしょう。その理由としては、文系科目は暗記系の勉強が多く、努力が結果に結びつきやすいからです。文理を決める最終手段として、学校の成績を参考にしてみましょう。

まとめ

文系・理系の選び方について解説しました。文理選択は大学進学や将来の就職先に関わる重要なものなので、じっくり考えて決めたいところ。文理の選択は高校1年のうちに決めることが多いので、できれば中学生のときから考え始めておくと良いでしょう。

文理選択は、好きな科目や将来なりたい職業があれば、それをもとに選ぶ方法がおすすめですが、もしそれでも選べない場合は、学校の成績を参考に文理選択をすると良いでしょう。いろいろな視点からしっかり考えて、お子様にとって最適な進路を決めていってください。

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