2016年以降の大阪府公立高校入試制度が大きく変わりました。なかでも、重要な変更点といえるのが、内申に関すること。評価方法や記載内容が変わり、評価対象学年も拡大されることになっています。
志望校合格のために、内申点は非常に重要。そこで今回は、2016年以降の高校受験における内申点の変更箇所を解説します。
内申とは
内申とは、各教科での成果や成績をもとに出された評価のこと。
2016年以降の内申に関する主な変更点
2016年以降、内申に関して主に変更されるのは以下の点です。
- 相対評価→絶対評価
- 評価対象学年の拡大
- 各教科評定比重の同列化
- 「自己申告書」の提出と「活動/行動の記録」欄の新設
「相対評価→絶対評価」で、クリアな評定が可能に
従来の大阪府入試制度では、相対評価による内申点の算出が行われていました。これは、10段階中の各段階の人数比率をあらかじめ決め、その割合に応じて全生徒を成績順に並べて評定するという方法。
この場合、評価はあくまで他の生徒との比較をもとに行われるため、「自分自身の成績や成果が正当に反映されない」などの問題がありました。
そこで新たな制度として取り入れられることになったのが、絶対評価。絶対評価の場合、他の生徒に関係なくあくまで個人の成績や成果で内申点が決まることになります。
また、評定は10段階制から5段階制に。この変更によって、たとえば「定期試験で90点以上を取得し、課題をきちんと提出していれば評定5」といった明確な基準に照らした評定が可能になります。
そのため、自分の頑張りが正当に評価として反映されやすくなります。
評価対象学年の拡大で、早めの内申対策が必要に
従来の制度では、内申の評価対象は第3学年時の成績のみでしたが、この点も変更される予定です。2017年には第2学年時の成績も、2018年には第1学年時の成績も含まれることに。
つまり、ゆくゆくは全学年の成績をもとに内申が評定されるようになるのです。詳細な評価比重は以下のとおりです。
■2016年度入試
中3のみ(中3での成績のみが評定のすべてを占める)
■2017年度入試
中3:中2=3:1(中2での成績が評定の25%を占める)
■2018年度入試
中3:中2:中1=3:1:1(中1、中2での成績が評定の40%を占める)
このような変更にともない、早い段階からの内申対策が必要となってきます。「本格的な受験勉強を始める3年生から頑張ればいいか」では通用しなくなるのです。
「受験科目だけを頑張ればいい」は、通用しなくなる
各教科の評定が同等に扱われるようになることで、国語・社会・数学・理科・英語・音楽・美術・保健体育・技術家庭の9教科をすべて“しっかり頑張る”ことが必要になります。
つまり、受験に必要な科目だけを頑張ればいいわけではなくなるのです。
「自己申告書」と「活動/行動の記録」
自己申告書の提出と「活動/行動の記録」欄の新設も、注目すべきトピック。自己申告書とは、生徒自身が学校での体験やそれを通して感じたことなどを自筆で記述する書類。
「活動/行動の記録」は、教科学習や部活動、課外活動などへの取り組みの様子を教師が具体的に記述する書類です。これらは生徒を多面的に評価する材料として導入されることになっています。
この変更が特に影響すると考えられるのは、入試での成績がボーダーゾーンにある生徒の場合。そのような生徒に対しては、これらの資料をもとに自校のアドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)に合致するかを判断し、合致する場合には優先的に入学させる制度が設けられる予定です。
内申対策は早めが吉!「習慣化」で効果的な対策を!
内申対策としてまず重要なのは、定期試験で良い点を取るということ。それ以外にも重要なことがあります。それは「期限を守って課題や提出物を出すこと」や「授業に集中すること」。
当たり前の話のように聞こえますが、実行するのは意外と難しいもの。当たり前のことを当たり前にできるようになるということは、つまりそれを習慣化してしまうということです。