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私立高校授業料無償化、公立高校文理学科設置で変わる大阪府の高等教育

私立高校授業料無償化、公立高校文理学科設置で変わる大阪府の高等教育

2011年以降、大阪府における中学卒業時の進路選択のあり方が変化しつつあります。その要因として挙げられるのは、主に2点。

ひとつは私立高校の授業料無償化。そしてもうひとつは、公立高校での文理学科設置による難関大進学率の向上です。

そこで今回は、大阪府の私立高校授業料無償化制度と公立高校の文理学科設置を踏まえた、中学卒業時の子どもの進路選択について考えていきます。

大阪府の私立高校授業料無償化制度

寄り添う女子中学生2人

制度の概要

2011年度に大阪府で開始された私立高校授業料無償化制度。

これは、世帯年収や世帯区分に応じて私立高校の授業料を府が負担するというもの。

当初は明確な実施期間を定めずに開始されましたが、2013年12月、2016年度以降の継続が発表されました。これにより、2018年度の入学者まで、世帯年収や世帯区分に応じた授業料支援(無償化または一部負担)が受けられることになります。

さらに2016年度入学者からは、対象世帯の年収上限引き下げ、子どもが多い世帯への優遇制度など、新たな改正点も付加されることになっています。

すべての子どもが「行きたい高校」に行けるように

この制度の目的は、「中学校卒業時、子どもたちが自らの希望や能力に応じて自由に高校の選択をできる機会を保障する」ということ。

国公立高校の授業料は基本的に一律ですが、私立高校の場合は学校ごとに違いがあります。また、私立高校の学費は国公立高校より高いのが一般的です。そのため、「お金がないから私立には通わせられない」「行きたい私立高校があるけど、家庭の事情で私には無理」というような状況も。

この制度は、このような状況を打開するために始まり、家庭ごとの経済格差による教育機会の不平等を改善するものとして機能しています。

具体的な制度について

この制度の改正案の対象となるのは、2016年度に入学予定の新入生から。世帯区分と授業料負担額の見直しが行われます。2016年度からの改正案は、以下のようになります。

◆年収590万円未満の世帯

授業料負担額が実質無償に

◆年収590万円以上800万円未満の世帯

授業料負担額が20万円に

ただし、府内の私立高校に3人以上通わせている世帯の場合、

◆年収590万円以上800万円未満の世帯

授業料負担額が10万円に

◆年収800万円以上910万円未満

授業料負担額が20万円に

なお、上記の適用対象は、授業料が58万円以下の学校に限られます。58万円を超える学校の場合には、20万円に差額を足した合計が負担額となります。

たとえば、授業料が68万円の学校の場合、20万円+差額の10万円で合計30万円の負担に。

また、府内の私立高校に通う子どもが1人以上いて、なおかつ他府県も含めた私立高校や大学等に通う子どもが2人以上いる世帯の場合でも、支援対象になります。

また、大学等の進学をめざす浪人生も、高校卒業後1年間に限り、人数に含まれます。

授業料負担の助成を受けるためには、然るべき時期に然るべき申請をすることが必要です。制度に関する詳細は、大阪府ホームページにてご確認ください。

参照:大阪府ホームページ「私立高校生等に対する授業料支援について」

http://www.pref.osaka.lg.jp/shigaku/shigakumushouka/

大阪府立高校の文理学科設置

勉強するブレザー姿の女子中学生

制度の概要

大阪府教育委員会は、2011年、府内の公立高校の中で大学進学率の高い上位10校に文理学科を設置しました。

この目的は、東大・京大をはじめとする難関国公立大学への合格率の向上を目指すこと。そのため、各校では独自の学習カリキュラムを設け、受験対策に力を入れています。

2015年度までは各校で各4クラスずつの募集が行われており、入試倍率は例年2~3倍と非常に高いものに。

さらに2016年度からは、10校の中でも特に成績の良い北野高校と天王寺高校において、さらなる文理学科の拡充が決定しています。

府教委は、両校では普通科においても文理学科に匹敵する高水準の教育が行われていると判断し、普通科を廃止。すべてを文理学科に統一するという大きな改革を果たしました。

文理学科の設置でもたらされる変化とは

「私立と公立どちらがいいか」……進路選択の際、まず、このように考える保護者のみなさんは多いかもしれません。

大学進学を見据えて高校を検討する場合、「学習環境や学習カリキュラムが整っているかどうか」という点は最大の焦点になります。そして、多くの保護者のみなさんは「公立高校より私立高校のほうがいいのでは」と考えがちです。

しかし、現在では、公立高校における文理学科の設置によって一概にそうともいえない状況が生まれています。

公立高校の文理学科におけるハイレベルな受験対策カリキュラム導入により、近年、公立校の進学率は上昇傾向にあります。

このような状況を考えると、「私立にするか、公立にするか」という安易な比較ではなく、学校の特色や特徴をじっくり比較・検討することが重要だといえます。

変わる大阪府の教育制度。今一度考えるべき「私立と公立、どっちがいいの?」

合格を知って抱き合う母と娘

私立高校の授業料無償化制度、公立高校における文理学科設置。これらの変革によって、高校進学における選択肢は以前よりも広くなっているといえるでしょう。

これまで経済的な事情から私立をあきらめざるをえなかった子どもには、無償化制度を利用した私立高校進学という選択肢が。大学進学を見据えて公立より私立を選んでいた子どもには、文理学科設置の公立高校進学という選択肢が。

子どもたちは、より広い視野を持って進路を選択できる機会を与えられたといっていいでしょう。

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