「どうすれば生徒たちの成績をもっと上げることができるのだろう?」第一ゼミナールのプラスサイクル学習法は、講師たちの切なる悩みから生まれました。生徒たちへのよりよい指導方法を探る中で行き着いたのが「楽しく意欲的に勉強している方が脳の働きが活発化する」という脳科学分野の研究でした。これが20年ほど前のことです。
全国学力・学習状況調査結果を受け、教育の有識者からは生徒たちの生活全体にわたっての意欲向上の必要性が指摘されています。学校だけでなく学習塾の現場からも、「イヤだ」「ムリだ」と、変化や新しいものごとの受け入れを拒否する生徒が増えたという声が上がっています。高校生を対象とした調査では、そもそも成績や将来に対する関心が諸外国より薄い傾向にあり、勉強を含め何事に対しても取り組む意義を見いだせていないことが、意欲の低下に結びついているのではないかと推測されます。
今まで学習塾の教育指導には、「試験に向けて一生懸命覚えなければならない」「できるまで何度でもやろう」など、根性論的な側面もありました。しかし、嫌々勉強して伸びる成績には限界があります。
開塾以来数十万人の生徒と向き合ってきた私たちは、試行錯誤の末「成績アップに良い指導法はもちろん必要。その上で生徒自身のやる気が一番大きな力になる」と確信しました。
生徒が本気の全力を発揮するために、学習することの意義を理解し「自分ならできる」と信じて前向きに勉強することの大切さを伝える、これが第一ゼミナールの−プラスサイクル学習法−です。
生徒たちが本気の全力を発揮するには、生徒が自ら意欲的に勉強に取り組むことが最も重要です。その意欲を引き出し発揮させる方法がプラスサイクル学習法です。
第一ゼミナールでは20年以上脳科学分野の専門家などと一緒に研究を行ってきました。MRI等の開発により、勉強しているあいだの人間の脳の働きも解明されてきました。その中で意欲的に勉強している人の脳は思考力・記憶力が高まることがわかってきています。
例えばゲームに夢中になっているとき、人の脳には集中力を増し本来の力を引き出す、ドーパミンという物質が放出されています。これはゲーム内のキャラクターなどに自らの人生を投影し、自己成長の喜びを感じているためと考えられています。
同じく勉強は、できなかったところができるようになる、わからないことがわかるようになる自己成長の時間ですから、学習することをゲームのように楽しいものだ、自分が成長できるものだというように置き換えて感じられれば、生徒は本来の能力と集中力を存分に発揮し、学習効果をさらに高めることができるのです。
10代は好きなことはどんどん吸収し、才能に溢れた人生で一番輝いている時期です。今、勉強は楽しいものだと思って前向きに取り組むことができれば、成績向上に直結するだけでなく、この先社会に出てもワクワク気分で仕事に向かうことができるでしょう。まずは意識的にプラス思考を心がけてもらうことが、成績向上のためのプラスサイクル学習法最大のポイントです。