勉強ができる子の親が一流大学出身であると聞くと、「やっぱり頭のできが違うから」と思ってしまいがち。ですが、本当に成績や頭のよし悪しは、生まれ持った才能で決まってしまうのでしょうか?
知能が「遺伝で決まるか、環境で決まるか」という問題については、学術的にも長く議論されてきました。それが近年では、「遺伝と環境の両方によって決まる」という考え方が主流となり、研究の結果、ついにその割合が明らかになったのです。
いまの学力がわかる!伸びしろも見える!
【小・中学生 全学年無料】第一ゼミ公開テスト!
知能の50%は遺伝で決まる
知能と遺伝子の関係を解明するにあたり、鍵となるのが双生児の研究です。一卵性双生児は100%同じ遺伝子を持ち、同じ家庭で育つため、幼児教育や学習環境といった生育環境もほぼ同じ。
一方、二卵性双生児の場合、生育環境はほぼ同じですが、遺伝子は50%しか共有しません。
つまり、一卵性双生児と二卵性双生児を比較したとき、知能の一致度に違いがあれば、それは遺伝子の影響だということになります。その考え方をもとに、遺伝と環境が知能に影響する割合を調べるのです。研究の結果、遺伝子が知能指数(IQ)に関与する割合は、約50%であると判明。
すなわち、子どもの知能の約50%は、親からの遺伝子に左右されることになります。
残り50%を決めるのは?
知能指数(IQ)と同じく、学力についても、50%程度は遺伝の影響だといわれています。
ですが、50%が遺伝で決まるなら、残りの50%はそれ以外の影響で決まるということ。具体的には、幼児教育、学習環境、勉強方法、勉強量などが挙げられます。
つまり、成績や頭のよし悪しは、生まれ持った才能のみによって決まるのではなく、成長過程によって決まる部分も多くあります。ですから、幼児教育や学習環境が子どもの将来を大きく左右するといえます。
子どもの学力を伸ばすためには、親の学歴や子どもの才能にかかわらず、子ども本人がきちんと学習に取り組むことと、周囲の大人が適切な指導を行うことが大切です。