成長期の子どもにとって、食生活における栄養補給は「発育・発達」の基礎になるため、とても重要です。時代とともに食生活も変化し、食への関心も変わってきています。
一昔前と比べ、子どもたちの体格はよくなっていますが、高学年になるにつれて、肥満ややせ型傾向が増加しています。食文化の多様化により増える肥満や、モデル体型への憧れなどからくる過度なダイエットなど、食に関する環境の変化は子どもたちにも影響しています。学校に通う子どもたちの中には「朝食は食べない」という子も。
このようなことから、子どもの生活習慣や食生活の変化を考えた『食育』が、今、さらに注目を集めています。
授業料1か月無料など
新学年へのスタートを応援!
食べる物で運命が変わる!?
普段、何気なく食べている食材にも様々な栄養があり、身体能力や心の成長にとても大きな影響を与えています。三大栄養素である、炭水化物・たんぱく質・脂質をバランスよく摂り、心身ともに健康な日々を過ごすことが、子どもにとってとても大切なことなのです。
身体へ与える栄養の役割
【カルシウム】・・・骨を丈夫にし、歯を強くする
【ビタミン】・・・三大栄養素である、炭水化物や脂質、たんぱく質の吸収をスムーズに行うために必要なのがビタミンです。体の中で作ることができないビタミンは、食事で摂取する必要があります。ビタミン不足は“寒い・疲れやすい・物忘れが激しい”などの症状の原因になります。
【炭水化物】・・・・炭水化物は消化吸収され、血中でエネルギーの元となる糖になる、心身に大切な栄養源です。炭水化物ダイエットなどは控え、雑穀米やお芋など食物繊維を多く含んだ炭水化物を取るように心がけることが大切です。
【たんぱく質】・・・体の中でアミノ酸に分解されるたんぱく質は、髪や爪、内臓、筋肉だけでなく、ホルモンや酵素を作る上で欠かせないものです。
アミノ酸はたんぱく質を摂取することで作られるため、たんぱく質を制限してしまうとアミノ酸が作られず、体内の機能が上手く回らなくなってしまうため、注意が必要です。
身体をつくる“たんぱく質”は、適量に摂取するようにしましょう。
【脂質】・・・脂質には食事の消化や吸収を促す作用があり、ビタミンの運搬にも欠かせないものです。
脂質の多いお肉や、バターなどに含まれるトランス脂肪酸をとり過ぎると、いわゆる悪玉コレステロールが増えてしまいます。青魚などの良質な脂質を摂取しましょう。
【ミネラル】・・・体重の4~5%を構成しているミネラルですが、このミネラルが不足することで骨が弱くなり、神経にも影響があると言われています。野菜や乳製品、魚肉類はミネラルが多いため、しっかりと摂取しましょう。ただし、ナトリウムやリンなどのミネラルの過剰摂取は、血液などに悪影響を及ぼす可能性があるため、適量を心がけてください。
栄養のバランスが悪いと、コレステロール値や血圧、血糖値などに影響し、生活習慣病に繋がってしまいます。また、集中力の低下やイライラの増加など、精神面にも影響が出てきます。
栄養バランスの整った食事を意識して、お子さまが正しい食生活を送れるようにサポートしてあげましょう。
授業料1か月無料など
新学年へのスタートを応援!
生きる力を養う『食育』とは
最近、朝食を食べない習慣や不規則な食生活から、生活習慣病の人が増加しています。
輸入食品が多くなり、食べる物の選択範囲が広がりました。「美味しいから」と、何も知らずに摂り続けることで、身体に悪影響を及ぼしている場合があります。
食に対する意識をもう一度見直すことが、正しい食生活への第一歩です。栄養バランスのとれた「食」についての知識を増やし、健康的な食生活を送ることが、健全な心身、豊かな人間関係の基礎だと捉えて日常を振り返ってみてはいかがでしょうか。
朝食をしっかり食べよう
朝食をとることで、体温は上昇。1日の始まりの準備が整います。
朝食をしっかり食べている方が、学力診断テストや体力テストの得点が高いという調査結果もでています。朝食は1日の食事の中で、最も大切な位置づけと言えるでしょう。
食事バランスガイドの活用
厚生労働省が案内している「食事バランスガイド」を参考に『主食・主菜・副菜・乳製品・果物』を考え、栄養バランスのとれた食生活を意識してみてはいかがでしょうか?
『食べる』を楽しみましょう
子どもが成長すると、クラブ活動や習い事などで家族の帰宅時間はバラバラに。みんな揃っての食事が難しくなりますが、誰かと食事をすることでいろいろなことが見えてきます。
一人だと味気ない食事も、誰かと楽しみながらだとおいしくなることや、会話が弾んだことなど、きっとみなさんにも経験があるはずです。なかなかみんなが揃わない、というご家庭は、週に何度か『家族で食事をする曜日』を決めてみるなど、ルールをつくってみるのもいいかもしれません。
楽しい食事を共有することは、身体はもちろん、心の栄養を蓄えることにもつながります。会話の中から子どもたちが料理に興味を持ったり、栄養についての知識を広げたりすることもあるのではないでしょうか。「今日の食事は十年後の自分をつくる」と言う人もいます。食事にはいろいろな意味でわたしたちを成長させてくれる『栄養』が入っているようです。