多感な思春期に高校受験を控える中学生のお子さんは、さまざまなストレスや不安に悩まされています。同じような経験をしたことがある親御さんは何かサポートをしてあげたいと思いますよね。
今回は高校受験を控えるお子さんを持つ親御さんに、どのように接すればいいのかをご紹介しますので、参考にしていただければと思います。
親は心の支えになろう
ふだん、お子さんが憎まれ口を叩いたり、反抗的な態度をとったりするのは思春期にはよくあることですし、心の奥では「親だから大丈夫」と安心している部分もあります。親御さんにとっては傷ついたり、不快な思いをしたりすることもあるでしょうが、まずはお子さんの心の支えになるように心がけてください。
もっとも大切なのは喧嘩をしないこと
受験を控えるお子さんとのコミュニケーションの中でもっとも大切なのが、喧嘩をしないことです。思春期で不安定な心に、受験というプレッシャーは非常に重たく感じます。ふだんの成績がよくても、模擬試験で高い点数を出していても、「本当に合格できるんだろうか」という不安が心のなかにあるはずです。
お子さんが集中して勉強できるようになるには、親御さんがお子さんの味方だとしっかりわかってもらうことが大切です。もし喧嘩をしそうになったら、一度関わることをやめましょう。喧嘩をするたびにストレスを抱えてしまいやすくなります。喧嘩をするくらいなら勉強のことには口を出さない、干渉しすぎないようにしてください。
子どもがストレスなく勉強できる環境づくり
ストレスなく勉強をするためには、環境にも気をつけなければなりません。もし家のなかが散らかっていると集中力が低下しますし、勉強をしているのに他の部屋からテレビの音が聞こえてくると気が散ってしまいます。
「うちの子は集中力が高いから大丈夫!」と思わず、お子さんが勉強しやすい環境かどうか考えてみてください。もともと集中力が高い子なら、環境が整えば今よりもっと勉強に打ち込むことができるはずです。
子どもが気分転換できることも大切
「勉強しなきゃ!」とお子さんは焦りを感じているかもしれません。焦っていると勉強をしても効率が下がりますし、答え合わせのときにミスが多いとさらに焦りを感じて悪循環に陥ってしまいます。
そこで、親御さんはいっしょに気分転換とストレス発散ができるような機会を作ってあげてください。お子さんと近くの公園に散歩に行ったり、好きなお菓子を用意してあげたりするなど、些細なことで構いません。お子さんはストレスが溜まるとつい親御さんにもつらく当たったりしてしまいますので、親御さんもいっしょにリフレッシュするように心がけてくださいね。
NG行動・ワードとは!?

親御さんがよかれと思った言動でも、実はNGなものがあります。ここでは特に親御さんがやってしまいがちな3つのパターンをご紹介します。
「勉強しなさい」ということばは使わない
お子さんがのんびりテレビを見ていたりすると、つい「勉強ちゃんとしてるの?」「そんなんじゃ高校行けないよ!」と言ってしまいたくなりますよね。その気持ちはよくわかります。しかしお子さんが自分なりに考えて勉強をしていて、息抜きをしているとしたら非常に不愉快に思わせてしまいます。
お子さんのサポートをしたいという想いから出たことばであっても、不安がらせてしまいますし、喧嘩になってしまう可能性もあります。勉強しなさいということばは受験生にとっては逆効果になってしまうので、気をつけてくださいね。
模試の点数で親が感情を乱さない
模試で悪い点数だと「本当に勉強していたの?」「どうしてこんなに点数が低いの?」と言いたくなるかもしれません。しかし点数が悪い場合、一番不安な思いをしているのは当事者であるお子さんです。点数が悪いだけでショックなのに、そこに追い打ちをかけるような言動は避けてください。
模試の結果は感情的になるのではなく、どこで間違ってしまったのかといった分析や、これから改善すべきポイントを知ることに使いましょう。
子どもの話をしっかり聞こう
「今日学校で…」とお子さんから話しかけられた場合、たとえ勉強に関係のない内容だとしてもしっかり聞いてあげてください。他愛もない会話も親子のコミュニケーションには必要ですし、ここで「勉強の話じゃないの?」と言うとお子さんは心を閉ざしてしまうかもしれません。
ちゃんと話を聞いてあげることでお子さんは気持ちがスッキリして、落ち着いて勉強に取り組むことができます。もし何か作業をしているときでも、できれば作業を一旦とめて、お子さんの顔を見て聞いてあげるようにしてください。
親の大切なサポートとは

親御さんができるサポートとして、有効なことを3つにまとめてみました。
面接の練習
高校受験の面接で、いきなり知らない人と会話をするのは非常にプレッシャーです。そのため、最初はもっとも身近な存在である親御さんが面接の練習相手になってあげると、お子さんもリラックスした状態で面接の練習をすることができます。
親子と言っても面接の練習は雰囲気をつくることが大切なので、親御さんはできるだけ面接の先生らしくふるまってください。もしお子さんが親御さんとの面接練習を嫌がった場合はむりやり練習せず、学校の先生や塾の先生に相談したりするとよいでしょう。
好きな食べ物やおいしい手料理は最高の栄養
勉強を頑張る受験生にとって、おいしい食べ物は最高の栄養です。もしお子さんに「○○が食べたい」と言われたら、できるだけリクエストに応えてあげてください。美味しいものや好物を食べることで、また勉強を頑張ろうという意欲がわいてきます。
ただし、お菓子やジュースの食べ過ぎは体にあまりよくありませんので、一日に食べてもいい量などをあらかじめ決めておくようにしましょう。
家での食事だけではなく外食に連れて行くのもおすすめです。外に出ることで気分転換にもなりますし、家族でゆっくり話せる時間を確保できるのでお子さんのストレス発散やリフレッシュ効果もあります。
家だと調理やかたづけもありますので親御さんもなかなか時間をとれないかもしれませんが、外食では片付けなどの必要もないのでお子さんの話をしっかり聞いてあげることができます。
最終的な決定は子供にまかせよう
中学三年生はまだ大人ほど視野が広くなく、不安を感じやすい年ごろです。悩み事や相談を受けたときはお子さんの意見を否定するのではなく、「他にもこういう方法があるよ」と違う道があることを提示してあげたり、いっしょにどうすればいいのかを考えてあげられるような関係性を築きましょう。
お子さんの進路を親御さんが勝手に決めてしまうのはよくありません。お子さんにとって高校三年間の生活は非常に大切なものですし、後々不満を感じて学校に行きたくないと思ってしまうかもしれません。
お子さんの成長のためにも、自分で意思決定して、選択していく力を育てることは重要なことです。悩みや相談にのってサポートをしつつも、最終的な決定はお子さん自身が行うように導いてあげてください。高校に通うのはお子さん自身です。
高校受験というのは、お子さんにとって非常に大きな試練です。親御さんはお子さんの心の支えとしてもっとも重要なポジションにいるということを忘れず、しっかりと支えてあげましょう。