中学生で塾に通いはじめるとき、塾選びと同じくらい気になるのが、通塾頻度です。
「部活動があるから、そんなにたくさん通うのは無理かな」
「まだ受験生じゃないから週1回くらいでいいかな」
このようにお考えの保護者の方も多いのではないでしょうか。
しかし、成績をしっかりと伸ばしたい場合は、週3回の通塾が効果的です。
この記事では、中学生が週に何回塾に通うべきか解説します。部活動との両立のコツや、塾で成績を上げるポイントもお伝えしますので、お子さまの学力アップにお役立てください。
中学生は週に何回塾に通うべき?
中学生は学年にかかわらず、週3回の通塾が理想的です。
「中1から週3回は多すぎるのでは?」と思われるかもしれませんが、週3回通うことで、学力の定着や勉強の習慣化などさまざまな効果が期待できます。
集団指導塾と個別指導塾で違いは?
基本的には、どちらのタイプの塾でも週3回を目安にしましょう。
集団指導塾は学校の授業のように、複数の生徒が一斉に授業を受けるスタイルで、塾によっては学力に応じてクラス分けされます。そのため、競争意識のあるお子さまに向いているでしょう。
一方、個別指導塾は生徒と教員が、1対1または1対2、1対3など教員1人に対して少人数の生徒に授業を行います。生徒の学習スタイルや習熟度に合わせて授業をしますので、自分のペースで勉強したいお子さまに向いています。
学習の目的や、お子さまに合った塾を選ぶことで、週3回の通塾も無理なく続けやすくなります。
中1から週3回で塾に通うメリット
中1から週3回で塾に通うことで、学習習慣が身につき、着実な学力アップも見込めます。週3回の通塾メリットについて解説します。
費用を抑えられる
週3回の通塾は、費用の面でメリットがあります。
週4回以上通塾すると、授業料の負担が増え、家計にとって大きな負担になる可能性があります。しかし、週3回の通塾であれば、無理なく学習時間を確保しながら、費用を抑えることができるでしょう。
また、週1~2回の通塾では、十分な学習時間を確保しにくく、成績が思うように伸びず、追加の補講や個別指導が必要になることもあります。 その結果、週3回通塾するよりも総合的な学費がかかるケースも少なくありません。
さらに、週3回の学習ペースを続けることで、学習習慣が定着して自分で学ぶ力も身につきます。 高校受験前に慌てて追加講習を受ける必要がなくなり、余計な出費を抑えることができます。
学習量が増えて知識の定着が早まる
通塾の回数が多いほど学習時間も自然と増えるため、知識の定着が早まります。
同じ問題を複数回にわたって復習することで、解き方を完全に理解することができ、かつ記憶に定着しやすくなります。
週1~2回の授業では、学習量が十分ではない可能性が高く、「わかったつもり」で終わることも多いため、学習効果が持続しにくい傾向があります。
その点、週3回で学習量が増えることで「理解→定着→実践」のサイクルがスムーズに回り、知識の定着率がアップするでしょう。
学習習慣が身につく
決まった曜日・時間に塾へ通うことで、自然と学習習慣が身につきやすくなります。
多くのお子さまにとって勉強は楽しいものではなく、学習習慣を自力で養うのは大変です。
自宅で机に向かっても宿題だけ済ませて終わるお子さまも多いでしょう。そのまま放っておくと、学習習慣が身に付かないまま中学3年間が過ぎ、テストの成績が上がらないだけでなく、高校入試にも悪影響を及ぼす可能性もあります。
その点、週3回で通塾すれば、週の半分ほど勉強に取り組む時間が一定確保されるため、机に向かう習慣が身に付きます。自主的に勉強に取り組む姿勢を養うことができるため、学校の定期テストや模擬試験でも良い成果が期待できるでしょう。
塾側に現状の学力・課題を把握してもらいやすくなる
通塾回数が増えるほど、教員とのコミュニケーションの機会が増え、塾側にお子さまの成績や苦手科目、課題を把握してもらいやすくなります。
お子さま一人ひとりに合わせた最適な指導が期待でき、成績アップにつながりやすくなるでしょう。
反対に、通塾が週1~2回だと、教員側はお子さまの状況に目が届きにくくなり、そのぶんフォローも手薄になりやすい可能性もあります。できる限り塾側に、お子さまへ目を配ってもらうためにも、週3回以上は塾に顔を出すことが望ましいです。
効率の良い受験対策ができる
週3回の通塾は、効率的な受験対策にもつながります。これは、塾側がこれまでのお子さまの学習状況を踏まえて、的確な受験対策を立てやすくなるためです。
また、個別指導塾の場合、週3回通うことで、無理のないペースで受験勉強できる点もメリットです。週1~2回の授業では十分な学習量を確保するのは難しく、1回あたりに詰め込むべき内容が多くなりがちです。記憶の定着が不十分になる可能性もあるでしょう。
一方、週3回に分けることで、1回あたりの学習量を抑えられ、記憶の抜け漏れが起こりにくく、お子さまの勉強の負担も減らせます。
このように、中1から週3回の通塾ペースで勉強し続けることで、高校受験に向けて無理なく着実に知識を積み重ねることができ、効率的に受験対策を進めることができます。
ライバルと切磋琢磨できる
自宅学習だと、緊張感が緩みやすく、周囲に気が散ってしまって勉強に身が入らないということも多いでしょう。
塾のように、身近に同じ目標に向かって一生懸命に勉強するライバルがいることで、「自分も頑張らないと」や「負けたくない」という気持ちが起こり、勉強に対するモチベーションアップにつながります。
週3回で通塾することにより、ライバルと頻繁に接することで競争意識が刺激され、勉強により意欲的になり、自然と勉強する時間も増えて成績アップが見込めます。
部活動と週3回の通塾を両立させるコツ
「部活動に加えて週3回も塾に通うのは大変なのでは?」と不安に感じる保護者の方も多いでしょう。
しかし、適切な時間管理と学習管理を行えば、それほど困難ではありません。むしろ、適度な負荷がかかることで、体力や精神力が鍛えられるメリットもあります。これらは、高校受験を乗り切るうえで大事な力になります。
「部活動か塾のどちらか一方を選ぶしかない」と考えるのではなく、どうすれば両立できるのか考えてみましょう。
ここからは、部活動と週3回の通塾を両立させるコツを解説します。
適切な時間管理
部活動と週3回の通塾を両立するには、お子さまの体力面の負担が大きくなりがちです。
無理しすぎると体調を崩す原因になりますし、疲れ切った状態で授業を受けても学習が身に付きません。保護者の方が適切に時間を管理してあげて、お子さまが無理なく両立できる環境を整えることが大切です。
まず、部活動と塾のスケジュールを把握し、負担が少ない曜日に通塾可能か確認をしましょう。部活動がない日や活動時間が短い日に通塾できれば、お子さまの負担を減らせます。
お子さまの疲労回復のために、日々の食事や睡眠、休憩時間もしっかり確保しましょう。
授業・自主学習の効率を高める
部活動をしているお子さまは、部活動していないお子さまに比べて、自由に使える時間が短いです。勉強時間の差が学力の差につながらないように、自主学習の効率を上げなければなりません。
勉強時間を確保するために、日々の隙間時間を有効活用しましょう。たとえば、通学や通塾の移動時間に、歴史の年号や英単語を暗記したり、教科書を読み直したりするのがおすすめです。徒歩の場合は、事故のリスクがありますので、英語のリスニングのような音声教材を使うと良いでしょう。
また、学校の休み時間などを使って、こまめな予習・復習も大切です。事前に学習範囲を確認し、「今日はこの範囲だけをマスターする」と目標を決めて取り組めば、短い時間でも効果的に学習できます。ぜひ、お子さまと一緒に取り組みやすい方法を探してみてください。
週3回の通塾で成績を上げるためのポイント
ここまで、通塾の頻度が高いほど成績向上や受験合格につながりやすいことを解説してきました。
しかし、ただ漫然と授業を受けるだけでは、いくら塾に通っても成績は上がりません。ここでは、週3回の通塾で成績を上げるためのポイントについて解説します。
教員と積極的にコミュニケーションを取る
お子さまには、塾の教員と積極的にコミュニケーションを取るよう、保護者の方からお伝えください。
授業で分からないことがあれば、その日のうちに質問して疑問を解消するよう促しましょう。また、こまめに進路相談をすることで、受験に向けた適切なアドバイスを受けることができます。
日々のコミュニケーションを重ねることで、教員はお子さまの学習状況や苦手分野を把握しやすくなり、一人ひとりに合った指導が可能になります。
その結果、お子さまにとって最適な指導を受けられ、着実に成績向上につなげることができます。
通塾の目的と目標をはっきりさせる
塾に通う目的がはっきりしないと、「塾に行くこと」自体が目的になり、成績アップにつながりにくいです。
達成すべき目標が明確であれば、「何を頑張るべきか」が分かるため、学習のモチベーションも高まります。
お子さまと通塾の目的を決め、その後長期目標と短期目標の2段階の目標を決めましょう。
【例】
目的
長期目標
- 夏までに偏差値を10上げる
- 定期テストで平均90点以上を取る
短期目標
- 苦手な数学で80点を取る
- 英単語を毎日10個ずつ暗記する
- 1週間でワークを3回解き直す
まずは、最終的に達成したい目的を決め、その後長期目標を1つ決めてください。長期目標達成のために必要な事柄を考えると、おのずと短期目標が絞り込めます。
例えば、数学が苦手なお子さまの場合、高校受験でも数学が足を引っ張る可能性が高いため、「数学の成績を上げること」が長期目標となります。
ただし、「ただ成績を上げる」だけでは、どれくらい頑張れば良いのか分かりにくいため、具体的な数字を設定しましょう。
「100点を取る」のような高すぎる目標は短期間での達成は難しく、お子さまのやる気を削ぐ恐れがあります。そのため、短期目標は、「次は70点」「80点」「90点」のように段階的に達成する目標を設定するのがポイントです。
1つの短期目標が達成できたら、次の短期目標を設定・達成するというサイクルを、長期目標の達成まで繰り返していきましょう。
長期目標に沿って小さな目標をいくつも立てることで、お子さまは勉強に身が入りやすくなります。
お子さまに合った塾を選ぶ
お子さまに合った塾を選ぶと、塾に通うストレスがなくなり、週3回の通塾が成功しやすくなります。具体的には、次のようなポイントに注目しましょう。
- 学力レベル、指導目的
- 授業形態(集団指導or個別指導)
- 塾の雰囲気
塾のレベルがお子さまの学力とあまりにかけ離れていると、授業についていけず、お子さまが自信を失います。多くの塾では、入塾前に説明会やガイダンスを実施しているため、学校の成績などを詳しく相談し、無理なく授業についているかを確認しましょう。
授業形態は、お子さまの性格に合わせて選ぶ必要があります。例えば、大勢の前で手を上げるのが苦手なお子さまは、一対一で質問できる個別指導塾が向いています。
また、プレッシャーに弱いお子さまは、ピリピリした雰囲気の塾では萎縮し、通うのが嫌になりかねません。授業風景や自習室を見学させてもらい、塾の雰囲気とお子さまの性格が合っているかを確かめましょう。
まとめ
中学生の通塾回数は、学習習慣の定着や受験対策の効率を考えると、週3回が理想的です。
塾に通う回数が多いほど勉強時間が増え、学習習慣が自然と身に付きます。また、週3回以上塾に通うことで、塾側がお子さまの成績を詳細に把握できるようになり、高校受験時においても的確な指導を受けることができます。
部活動と両立させる場合は、お子さまが無理をしすぎないように、保護者の方が適切な時間管理をしましょう。隙間時間でこまめに勉強する習慣を身に付け、勉強時間を確保する工夫を行うことで、より効率が良くなります。
なお、通塾も目的が明確でないと、漫然と塾に通うだけになってしまい、成績アップも見込めません。
塾で達成すべき目的を明確にし、それに向けた目標を立てることが高校受験を成功させるための重要なポイントです。
お子さまに合う塾で、成績アップをめざしましょう。