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「非認知能力」を伸ばすために家庭でできること【後編】 

男の子と、その肩に手を置く母親

 

物事をやりぬく力、自制心―――生きていくうえで非常に重要なこれらの力。

こういった、知能ではなく人間性に起因する能力は「非認知能力」と呼ばれており、近年、脳科学や心理学の分野で大きな注目を集めています。

 

「非認知能力の重要性」についてご紹介した

『子どもを社会で活躍できる子に!注目の「非認知能力」って知っていますか?【前編】』

に続き、後編となる今回は、非認知能力を伸ばすために家庭で実践できることをご紹介します。
 
 
 

適度な楽観主義は、失敗にくじけず粘り強く物事をやりぬく力につながる

 

笑顔で勉強する青いボーダー服の男の子

 

非認知能力のひとつとしてあげられる、「物事をやりぬく力」。この能力に長けている人は、適度な楽観主義者であることが多いといわれています。

 

ペンシルベニア大学の心理学者であるマーティン・セリグマンは、著書『オプティミストはなぜ成功するか』の中で、「悲観主義者は、イヤなことやつらいことに直面したときに、それを永続的なもの、個人的なもの、全面的なものとしてとらえがちである」と、述べています。

たとえば、女の子を食事に誘ったものの断られてしまった―――このような状況で、悲観主義者の人は「自分に魅力がないから断られたんだ。」「他の人をさそってもどうせダメだろう、だって自分には魅力がないんだから。」などと考え、落ち込んでしまいます。

 

これに対して楽観主義者の人の場合は、よくない出来事の原因をもっと短期的で対人的、限定的なものとしてとらえます。つまり、「彼女はその日、都合が悪かったんだろう。」とか、「自分は彼女のタイプではなかったんだろう。」というような具合に。

 

このような考え方の差異は、両者の人生に大きな違いをもたらします。何か失敗をしたとき、立ち直って次のステップに進めるか、そこでつまずいてしまうか。

大切なのは、悲観主義者の思考パターンにおちいらないこと。そして、適度な楽観主義を身につけ、失敗を乗り越えて、次に進める力をやしなうことです。

 

・家庭で実践できること

そのために、ご家庭で気をつけていただきたいのは、お子さんへの声かけの仕方。

たとえば、お子さんがテストで悪い点をとったとき。「あなたはどうしてこんな問題もできないの?」「あなたは勉強が苦手なのね。」というように、失敗の原因がお子さんの資質にあるようなしかり方はNGです。

「ケアレスミスが多いから、もっと慎重に問題を読もうね。」「テスト前日にテレビを見るのはやめようね。」といったように、失敗から学び、次に活かせるアドバイスをしてあげましょう。

 

過度の楽観主義はよくありませんが、一度の失敗に立ちどまらず、すぐに立ちなおってまた挑戦できる「適度な楽観主義」、つまり、「前を向ける力」を育むことが大切です。

 
 
 

子どもの自主性をうながすことが、自制心を育む

テーブルで勉強するオレンジ色の服の女の子

 

もうひとつの非認知能力としてあげられるのが、「自制心」。

「自制心」とは、自分自身の感情や欲望をコントロールする力のこと。さまざまな研究によって、幼いうちに自制心をやしなうことが子どもの将来によい影響を与えるとわかっています。

 

子どもの自制心に関する研究の中でも特に有名なのが、「マシュマロ・テスト」。これは、1960年代後半から1970年代前半にかけてスタンフォード大学で行われた実験です。

この実験では、4歳の子ども186人を対象に、幼少期の自制心と大人になってからの社会的成果の関連性が調査されました。

 

被験者である4歳の子どもの前にマシュマロを置き、「食べるのを15分我慢できたらマシュマロをもう1個あげる。我慢できなくなったらベルを鳴らしてね。」と伝え、ひとりにします。子どもたちは、目を手で隠してマシュマロを見ないようにしたり、歌をうたったり、さまざまな方法で誘惑に抵抗しましたが、最後まで我慢し、2個目のマシュマロを手にした子どもは全体の3分の1程度でした。

この実験では、その後、約20年にわたり、被験者の子どもたちが大人になるまでの追跡調査が行われました。その結果、目の前にあるマシュマロを我慢できた子どもと我慢できなかった子どもの間には、学力や年収、社会的地位などに大きな差異が生じることが判明したのです。

 

この結果からいえるのは、自制心の高い子どもほど、さまざまな課題をこなしたり自身の能力をみがいたりできる資質を持っているということです。

つまり、自制心の高い子どもほど、大人になって社会で活躍する可能性が高いといえます。

 

とはいえ、「自制心を強く持つ」というのは簡単なことではありません。

たとえば、「明日はテストだから見たいテレビを我慢する。」「宿題があるからゲームをやめる。」

――小さな子どもにどうやって自分を律する術(すべ)を教えればいいのでしょうか。

 

・家庭で実践できること

その答えのひとつとして、「親との適度な距離が重要である」という見解があります。

マシュマロ・テストを行ったスタンフォード大学のウォルター・ミッシェルの著書『マシュマロ・テスト』では、子どもに対する親の干渉の程度が子どもの自制心の強さに影響するということが述べられています。親が過剰に干渉しない子どもたちは、おおむね高い自制心を持っているというのです。

 

このことからいえるのは、「もう宿題はやったの?」「歯は磨いたの?」「顔は洗ったの?」というように、子どもの行動の隅々にまで口を出してしまうと、自制心が育ちにくくなるということ。過度に干渉せずに子どもが自分自身で行う選択を見守り、自主性を持たせることが、子どもの自制心を育てるのです。

 

非認知能力を高めるための家庭教育

いかがでしたか。前編・後編にわたってご紹介した「非認知能力」。

非認知能力を高めるカギは、子どもの頃の家庭教育にあるといっても過言ではありません。適度な楽観主義と自主性を育むことでお子さんの非認知能力を高め、将来社会で活躍できる人に。今後のご家庭での教育に、ぜひお役立てください。

 

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