皆さんは「絶対評価」という評価基準をご存じでしょうか。
「絶対評価っていつから始まったの?」
「成績を上げるには、どうすればいいの?」
「相対評価とは何が違うの?」
これらは、中学生の保護者の方からよく寄せられる質問です。
中学生にとって、学校での評価は高校受験にも大きく影響するため、評価の仕組みを正しく理解して適切な対策をとることが内申点アップへの第一歩になります。
この記事では、中学校で採用されている絶対評価の概要や評価基準、相対評価との違いを解説します。さらに、評価アップにつながる5つの具体的なコツも紹介します。
お子さまが自信を持って学校生活を送れるよう、評価の仕組みや対策方法を親子で一緒に確認してみてください。
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絶対評価とは
中学校での絶対評価は、2002年度から段階的に導入されました。
絶対評価とは、「生徒一人ひとりの学習状況や到達度を事前に定められた評価基準に基づいて評価する方法」のことを指しており、成績評価や通知表などで使用されています。
他の生徒と比較するのではなく、あくまで本人の目標達成度に焦点を当てます。
具体的には、「この問題が解けるようになった」や「授業中に発表できるようになった」などの本人の成長や理解度が評価基準です。
近年では、全国的に公立中学校で絶対評価が採用されており、通知表や内申点の重要な判断材料となっています。
中学校の絶対評価の基準と相対評価との違い
中学校の絶対評価は、生徒がどれだけ学習目標を達成できたかなどを基準にして成績がつけられます。他の生徒との比較ではなく、事前に定められた基準に沿って一人ひとりの理解度や成長を評価するのが特徴です。
本章では、絶対評価の基準や評価の仕組み、相対評価との違いを解説します。
観点別評価に基づく絶対評価の仕組み
中学校の絶対評価は、「観点別評価」という仕組みによって成績がつけられます。「教育課程部会の学習評価に関する資料」によると、評価は次の3つの観点から行われます。
- 知識及び技能:学習内容の理解や定着度
- 思考力・判断力・表現力等:考える力や表現する力
- 主体的に学習に取り組む態度:学ぼうとする意欲や継続的な努力
これらの観点ごとに評価され、最終的に通知表の5段階(5~1)で評定されます。
つまり、テストの点数だけではなく、授業態度や提出物、自主学習への取り組みなど、日々の積み重ねが大きく影響するのが絶対評価の特徴です。
絶対評価と相対評価の違いとは?
絶対評価は個人の努力や成果で評価し、相対評価は集団での位置づけで評価する違いがあります。
絶対評価では、生徒の学習状況を事前に定めた目標に対する達成度で評価します。具体的には、「この単元を理解している」や「課題に対する考えを表現できている」などの目標が基準です。クラスでの順位は関係なく、目標を達成していれば全員が高評価を得られる可能性があるのが絶対評価の特徴といえます。
一方、相対評価では、クラスや学年全体での順位が評価に影響します。事前に「5は上位7%、4はその次の24%」などの割合が決まっており、目標を達成していても周囲の成績次第で評価が低くなる可能性がありました。このため、全員の成績が優秀であっても、必ず「3」や「2」の評価になる生徒は出るという仕組みが相対評価の特徴です。
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中学校の内申点アップに効く!絶対評価での成績を上げる5つのコツ
中学校の絶対評価はテストの点数だけではなく、授業態度や課題提出、日々の学習習慣まで含めて幅広く評価されます。日常の積み重ねが評価に影響すると考えられます。
本章では、絶対評価での成績アップを目指すうえで意識したい5つのコツを紹介します。
1. 定期テストの点数を安定して取る
定期テストの点数は、「知識及び技能」と「思考力・判断力・表現力等」の観点で重要な評価材料となります。単に高得点を取るだけではなく、各単元をバランスよく理解しているかどうかも重要です。
例えば、数学では応用問題まで解けているか、国語では記述式の問いに論理的に答えられているかなども評価の観点になります。
平均点以上を安定して取り続けることが高評価につながるため、テスト前の一夜漬けではなく、普段からコツコツと予習・復習を行い、苦手分野を早めに克服することが大切です。
2. 授業中の態度や学ぶ姿勢を意識する
授業中の態度は、「主体的に学習に取り組む態度」として評価に反映されます。
先生の話を聞いているか、ノートを丁寧に取っているか、わからないところを放置せずに質問しているか、といった点が見られています。
また、授業中に居眠りをしたり、私語をしたりと周囲に迷惑がかかるマイナスの行動は評価を下げる原因になるため注意しましょう。
わからないところをそのまま放置せず積極的に理解しようとする態度や、他の生徒と協力して課題に取り組む姿勢は先生に好印象を与え、高評価につながります。
3. 提出物や宿題を丁寧に仕上げる
提出物や宿題は、先生が生徒の学習状況を知る大切な手がかりです。
単に提出すればいいというものではなく、内容の丁寧さや自分なりに工夫して書かれているかどうかも見られているでしょう。
例えば、学習ノートに答えを書くだけではなく、なぜそう考えたのかを書き添える、調べたことを自分の言葉でまとめるなどの工夫があると評価は上がりやすくなります。
締め切りを守って提出するのは大前提ですが、もし期日に間に合いそうでない場合は、早めに先生に相談するなど誠実な対応がお子さまに求められます。
4. 自主学習や図書館利用など、学習意欲を示す行動を積極的に行う
学校の授業以外にも、自主的に学習する姿勢は高く評価されます。
- 自主学習ノートを継続的に提出する
- 放課後に図書館で学習を行う
- 読書記録や感想文を積極的に書く
上記の取り組みは、先生に学びの意欲を表すものとしてプラス評価になるでしょう。
また、行事やクラブ活動を通して得た学びを授業に活かしたり、家庭での学習を学校生活に反映したりする姿勢は、学びに主体的に取り組んでいる姿として先生に好印象を与えます。
5. 積極的に先生とコミュニケーションを取る
先生との信頼関係も、内申点に影響する大切な要素です。
- わからないところを質問する
- アドバイスを素直に聞く
- 進路について相談する
上記を通して日常的に先生と関わる機会を持つことで、お子さまの学習姿勢や努力が先生に伝わりやすくなると考えられます。
また、授業中や休み時間のちょっとした会話、日々の挨拶や礼儀なども見られています。誠実なコミュニケーションを心がけることで主体的に学校生活に取り組んでいる姿勢が伝わりやすくなり、最終的な評価にも良い影響を与えるでしょう。
中学校の絶対評価に関するよくあるQA
最後に、中学校の絶対評価に関するよくあるQAを紹介します。
全ての中学校が絶対評価を採用していますか?
全ての公立中学校で絶対評価が導入されています。文部科学省が定めた学習指導要領に基づき、2002年度から段階的に移行が進められました。
私立中学校の場合は、独自の教育方針により評価方法を定めているケースもありますが、多くの学校では絶対評価またはそれに準じた評価方式が導入されています。
中学校の絶対評価でオール5を取る割合は?
オール5(すべての教科で5の評価)を取る生徒の割合は、学校や地域によって差があるため、具体的な数値の提示は難しいですが、クラスに1人いるかいないか程度の割合であり、非常に高い基準をクリアする必要があります。
東京都教育委員会が行った「都内公立中学校第3学年及び義務教育学校第9学年(12月31日現在)の評定状況の調査」によると、9教科全体で「5」の評価をつけた割合は「約12%」です。
全教科で「5」を取るためには、テストの点数・日頃の学習態度・課題への取り組み・学習姿勢すべてにおいて高い基準を満たす必要があります。
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まとめ
今回は、中学校で採用されている絶対評価の概要や評価基準、相対評価との違い、評価アップにつながる5つの具体的なコツを解説しました。
絶対評価は、テストの点数だけではなく、授業態度や提出物、自主学習などの「日々の努力」を正しく評価する仕組みです。お子さまが普段から前向きに学習へ取り組むことで、努力が評価にしっかりと反映される制度です。
絶対評価の仕組みを理解し、親子で協力しながら取り組むことで内申点のアップや高校受験の準備にもつながります。特に、「何が評価されているのか」や「どうすれば先生に頑張りが伝わるのか」を意識することが成績向上の第一歩といえるでしょう。
本記事を参考に、お子さまの学校生活、その先の高校受験をより充実させるヒントを得ていただければ幸いです。