「点数なら把握しているけど偏差値はわからない」
「偏差値50は全体でどのくらい?」
受験校選びにおいて偏差値は重要な指標となりますが、子どもの偏差値がどのくらいなのか把握していない方は多いでしょう。そもそも偏差値がどのようなものなのか、理解できていない方も少なくありません。
本記事では偏差値とはどのようなものなのか、偏差値の計算方法、偏差値50はどのくらいのレベルなのかをわかりやすく解説します。
偏差値について正しく理解して、子どもの進学をサポートしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
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そもそも偏差値とは?
偏差値とは、試験の成績において、全体の中でどの程度の位置にあるかを示す指標です。
偏差値を用いることで、点数が平均点より高いか低いかだけでなく、自分が他の受験者と比べてどの程度の順位であるかを知ることができます。
特に、偏差値は学力テストや受験で用いられることが多く、自分の成績を客観的に評価することができます。
次の章より、偏差値の割合や方法などを詳しく解説していきます。
偏差値の割合と確認方法
偏差値は50を平均値とし、50から外れれば外れるほど変動しづらくなります。
イメージしやすいように、偏差値30〜80が上位何%に当てはまるのか、それぞれの偏差値で1,000人中何位に位置するのか以下の表で確認しましょう。
偏差値 | 最上位からの割合 | 順位 ※1000人中 |
---|
80 | 0.13% | 1.3位 |
75 | 0.62% | 6.2位 |
70 | 2.28% | 22.8位 |
65 | 6.68% | 66.8位 |
60 | 15.87% | 158.7位 |
55 | 30.85% | 308.5位 |
50 | 50% | 500位 |
45 | 69.15% | 691.5位 |
40 | 84.13% | 841.3位 |
35 | 93.32% | 933.2位 |
30 | 97.72% | 972.2位 |
上記の表を参考にすると、次のように言い換えることができます。
- 偏差値50から55に上げるには、500位から192人を超える必要がある
- 偏差値70から75に上げるには、22.8位から16人を超える必要がある
偏差値50から55に上げるよりも偏差値70から75に上げる方が、超えなければならない人数は少ないため、一見簡単に感じるかもしれません。
しかし、成績中位者を200人超えるより、成績上位者を16人超える方が必要な努力量は増えますし、最上位からの割合を見てもわかるように乗り越える壁は高くなります。
偏差値は50から上に上がるほど伸ばすのは難しくなると言えます。特に、成績上位に入るのは狭き門だと理解しておきましょう。
偏差値の計算方法
偏差値の計算方法は、以下の通りです。
- 偏差値=(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50
標準偏差とは、特定のデータが平均値の周辺でどのくらいばらついているかを表す指標です。
例えば、平均点が50点の場合、50点付近に密集していていれば標準偏差は小さくなり、10~30点、80~90点などと50点から離れた点数が多い場合は、標準偏差は大きくなります。
- 標準偏差が小さい…データが平均値の近くに密集している
- 標準偏差が大きい…データが広範囲に散らばっている
ただし、標準偏差を求めるには受験者全員のデータが必要なので、定期テストで計算するのは難しく、全員のデータが取れる模試などでは計測可能です。
偏差値50はどのくらいのレベル?
偏差値50は、100人中50位のレベルです。
200人であれば100位、1000人であれば500位と、母数に関わらず全体の真ん中の順位が偏差値50です。
仮に、偏差値51となれば順位は46位となり、偏差値49となれば順位は54位となります。
偏差値は点数と異なり、わずか「1」変わるだけで順位が大きく変動します。点数と偏差値を混同しないよう気をつけましょう。
5教科の点数では合計250~300点前後
偏差値50は、学校の定期テストに置き換えると5教科の合計で250〜300点前後の点数と言えるでしょう。
学校の定期テストは、50〜60点の点数を取れるように問題が作られているため、必然的に250〜300点前後が偏差値50に近くなります。
ただし、偏差値は相対的な指標なので、問題の難易度によっては250点で偏差値50を上回るケースもありますし、300点でも偏差値50を下回るケースもあります。
偏差値は他の受験者がいて計算できるものなので、偏差値において絶対的な点数は決まっていないと理解しておきましょう。
偏差値50の高校【2024年6月時点】
実際に高校受験を控えている方向けに、偏差値50の高校をいくつか紹介します。
学校名 | 都道府県 | 偏差値 |
---|
芥川高等学校(普通科/公立) | 大阪府 | 50 |
豊島高等学校(普通科/公立) | 大阪府 | 50 |
金岡高等学校(普通科/公立) | 大阪府 | 50 |
北嵯峨高等学校(普通科/公立) | 京都府 | 50 |
加古川南高等学校(総合科学/公立) | 兵庫県 | 50 |
偏差値50の高校は比較的進学しやすいものの、受験勉強をサボってしまうと不合格になってしまう可能性もあります。
お子さまの偏差値を正確に把握して、きちんと受験対策を行いましょう。
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偏差値を活用するメリット
偏差値を活用するメリットは、以下の通りです。
- 人数が多いテストでも順位を把握できる
- 難易度が異なるテスト同士を比較できる
- 過去のテストと比較して学力の変化を確認できる
順番に見ていきましょう。
人数が多いテストでも順位を把握できる
偏差値は、テストの平均点と標準偏差に基づいて算出されるため、受験者数が多いテストでも個人の順位を把握することができます。
例えば、全国模試のような大規模な試験では、何万人もの受験者がいるため、単純な得点だけでは自分の位置が分かりづらいです。
そこで、偏差値を活用すると、自分の得点が全体のどのくらいの位置にあるのかを簡単に把握できます。
仮に、受験者数1万人の試験で50点を取り、偏差値55と算出された場合には、上位30.85%の3,085位と計算できます。
受験人数と偏差値によってはピンポイントに順位を計算できない場合もありますが、ほぼ正確に順位を計算できるでしょう。
難易度が異なるテスト同士を比較できる
偏差値を活用すると、難易度が異なるテスト同士を比較できます。
まずは、平均点と自分の得点を比較した以下の表をご覧ください。
教科 | 国語(1学期中間) | 国語(1学期期末) |
平均点 | 65点 | 40点 |
自分の得点 | 50点 | 50点 |
国語という同じ教科であるものの、1学期中間は65点と平均点が高く、1学期期末は40点と平均点が低いため、中間テストに比べて期末テストの難易度が高いことが分かります。
しかし、平均点と自分の得点が分かるだけでは、「1学期中間は平均点より15点下だったから偏差値は50以下だけど、1学期期末は平均点より10点上だったから偏差値は50以上あるな」と大まかにしか予想できません。
一方で、偏差値が公開されている試験の場合は、次の通りです。
教科 | 国語(1学期中間) | 国語(1学期期末) |
自分の得点 | 50点 | 50点 |
偏差値 | 40 | 55 |
順位(100人) | 84位/100人中 | 31位/100人中 |
上記のように偏差値が分かれば、難易度が異なるテスト同士でも、自分の位置を正確に把握することができます。
過去のテストと比較して学力の変化を確認できる
偏差値を参考にすると、過去のテストと比較して自分の学力の変化を確認できます。
次のように、難易度の違う試験を第1回から第3回まで受けたとします。
| 5教科合計 | 偏差値 | 順位(100人) |
---|
第1回 | 250点 | 45 | 69位 |
第2回 | 305点 | 49 | 54位 |
第3回 | 280点 | 52 | 42位 |
第1回は250点、第2回は305点、第3回は280点と、一度上がり、その後下がっています。
しかし注目すべきは、第1回から第2回で4アップし、第2回から第3回で3アップしている偏差値です。
点数だけ見ると大きく変わっていないように見えますが、偏差値から導き出せる順位を確認すると、第1回から第3回で27位もアップしています。
受験は点数で決める絶対評価ではなく、ライバルとの比較によって合否を決める相対評価なので、参考にすべきは点数よりも偏差値と言えるでしょう。
偏差値を活用する際の注意点
偏差値を活用する際には、以下の点に注意しましょう。
- テストを受けた人数が少ないと参考になりづらい
- 受験者層によって偏差値50の難易度が変わる
- 得点のばらつき具合まで把握できない
それぞれ解説します。
テストを受けた人数が少ないと参考になりづらい
偏差値は、多くの受験者がいる中で自分の位置を示す指標としては有効ですが、受験者の人数が少ない場合は、信頼性が低くなります。
例えば、受験者が数十人しかいない小規模なテストでは、偏差値が大きく変動するケースが多くあります。
受験者数が少なく、且つ極端に高い点数や低い点数が多いと、全体の平均点や標準偏差に大きな影響を与えるため、偏差値が正確な指標として機能しにくくなります。
そのため、偏差値を参考にする際は、できるだけ多くの受験者が参加したテストの結果を見ることが重要でしょう。
受験者層によって偏差値50の難易度が変わる
偏差値50は平均的な成績を示しますが、受験者層によって偏差値50の難易度が大きく変わります。
例えば、難関校を目指す優秀な学生が多く受験する模試では、偏差値50を取るだけでも難易度が高いです。
一方で、学校のように、成績上位者・中位者・下位者が分散している試験では、偏差値50の難易度は一般的なものとなります。
偏差値が同じでも、受験者のレベルによって難易度は変わるため、偏差値で成績を評価する際は、受験者層のレベルも考慮しましょう。
得点のばらつき具合まで把握できない
偏差値は自分の得点と平均点、標準偏差に基づいて算出されますが、偏差値だけでは得点のばらつき具合まで把握できません。
標準偏差が大きいテストは得点分布が広く、標準偏差が小さいテストは得点分布が狭いことは分かりますが、何点にどのくらいの人数が分布しているかを正確に読み取ることは難しいです。
そのため、上位との差を正確に把握したい場合には、テストの得点分布もあわせて確認しましょう。
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まとめ
本記事では、そもそも偏差値とはどのようなものなのかという点から、偏差値の計算方法や偏差値50はどのくらいのレベルなのかを解説しました。
偏差値とは、試験の成績において、全体の中でどの程度の位置にあるかを示す指標です。偏差値ごとに上位何%かを理解できるようになると、模試などで志望校との距離感をイメージできるようになります。
また。公立受験では内申点も関わってくるため、偏差値50の高校に合格するためには、最低でも定期テストの5教科で250点を取れるように勉強する必要があります。
お子さまの高校受験を控えている保護者の方は、偏差値50がどのくらいなのかを把握した上で、受験のサポートを行いましょう。