お子さまの中学受験を考え始めたとき、「塾に通わせるべきかどうか」と悩まれるかたも多いでしょう。実際に、中学受験をするお子さまの大多数が塾に通っています。
「中学受験をするなら塾に通わせた方がいいのか?」、「塾なしでの中学受験の成功は難しい?」と疑問に思う方も多いです。
中学受験をする場合、必ずしも塾に通う必要はありません。しかし、塾に通うことに大きなメリットがあるのも事実です。
この記事では塾なしでの中学受験を検討している保護者の方に向けて、塾なし受験のメリット・デメリット、成功のためのポイントについて解説します。お子さまの中学受験を考えている保護者の方は、ぜひ最後までお読みください。
夏の塾デビューを全力応援!!
今、ご入会で【受講料無料】
「塾なし」中学受験の割合と実態
中学受験は、小学生にとって学習量も内容も非常に高度なチャレンジです。そのため、専門的なカリキュラムと指導、環境を提供する塾を活用する家庭が多数派となっています。
2022年に行われたイノベーションシステム株式会社の「お子さんの中学受験」に関するアンケートによると、中学受験を考えている家庭の約8割が塾を利用しているという結果が出ています。
この結果は、塾なしで中学受験に挑戦するのではなく、塾を利用することで得られるメリットを重視しているご家庭が多いことを示しています。
中学受験における「塾なし」のメリット
中学受験に挑戦する際、塾に通うか否かを決めるためには、塾なしのメリットとデメリットを具体的におさえることが重要です。
ここでは、塾に通わないで中学受験に挑戦する主なメリットを3つ紹介します。
自分のペースで学習できる
塾なし中学受験の大きなメリットは、お子さまの理解度やペースにあわせて柔軟に学習を進められる点です。
塾に通っていると、決められたカリキュラムに沿って授業が進むため、理解が追いつかなかったり、物足りないと感じたりすることがあります。
一方塾なしの場合は、苦手な分野にはじっくり時間をかけることもできますし、得意な分野はテンポよく進めるなど、柔軟に対応できます。特に、算数のように基礎の積み重ねが重要な科目では、自分のペースで学習することが理解の定着につながります。
さらに、自分のレベルにあった学習ができるのでつまずきが少なく、モチベーションを保ちやすいのもメリットでしょう。
経済的負担が少ない
経済的な負担が少ないことも、塾なし中学受験のメリットです。
学年や地域、塾の種類によって異なりますが、中学受験向けの学習塾の月謝は2万~4万円が相場です。これに入会金、教材費、模試代などが加わると、年間で相当な費用が発生します。
一方、塾なしで中学受験をする場合は、教材費や模試代程度で済むため、費用を大幅に抑えられるでしょう。
習い事と両立できる
一般的に、中学受験に向けた通塾は週に2~3回程度です。通塾時間や宿題でスケジュールが埋まってしまい、習い事との両立が難しくなることもあるでしょう。
塾に通わなければ、時間の使い方を柔軟に調整できます。
たとえば、習い事のある日の学習時間を少なめにして、休日にまとめて学習するなど、お子さまの生活リズムにあわせた学習計画を立てることができます。
中学受験「塾なし」のデメリット
塾が必要かどうか判断するために、塾に通わず中学受験に挑戦するデメリットもおさえておきましょう。
塾なし中学受験のデメリットは、主に以下の5点です。
受験情報が手に入りにくい
塾に通わず中学受験に挑戦した場合、受験に関する情報収集が難しい傾向があります。
中学受験を成功するためには、最新の入試情報や過去問の傾向を把握しておくことは非常に重要です。塾では、各学校の出題傾向や合格ライン、入試制度の変更など受験に必要な情報を提供しています。
これに対し、塾なしの場合では情報収集が保護者の方の努力に委ねられます。書籍やインターネットから得られる情報には限界があり、細かい傾向や最新の動向まで把握することは簡単ではありません。
カリキュラム作成が難しい
効率的な学習を進めるためには、カリキュラムの作成が不可欠です。
塾では、豊富な指導経験に基づいて、教科ごとのバランスや学習の順序を考慮した体系的なカリキュラムが用意されています。定期的にテストを実施して、各々の理解度を確認し、必要に応じてカリキュラムを調整する体制も整っています。
一方、塾なしの場合は保護者の方がカリキュラムを組まないといけません。
「どの教材を使って学習すべきか」「どの単元にどれくらいの時間を割くべきか」といった判断は、専門的な知識や経験がないと難しいでしょう。
適切なカリキュラムを立てられないと、お子さまの学習が非効率になるリスクがあります。
専門的な指導が受けられない
中学受験特有の解法のコツや時間配分の戦略など、専門的な指導を受けられないのも、塾なし中学受験の大きなデメリットです。
塾では、単なる問題の解き方だけでなく、試験本番で実力を発揮するためのテクニックや、効率的な時間の使い方など実践的な指導が行われます。また、模擬試験を通じて本番に近い環境での練習を繰り返し実施できます。
これらの専門的なノウハウを塾に通わずに習得するのは難しく、特に記述問題のように採点基準が明確でない問題への対応が手探りになりがちです。
モチベーション維持が難しい
塾では、同じ目標を持つ仲間と競い合いながら学べる環境があり、定期的なテストで目標を設定することで、自然とやる気を保てます。講師からの励ましや的確なアドバイスも、学習意欲の向上に効果的です。
一方、塾なしではお子さまが孤独になりやすく、特に成績が伸び悩む時期にはモチベーションの維持が難しくなる傾向があります。また、自分の位置づけや実力を客観的に把握する機会が少なくなる点にも注意が必要です。
保護者の方の負担が大きい
塾なしでの受験勉強は、保護者の方の負担が大きくなることもデメリットです。
お子さまに合った教材選びから学習の進捗管理、志望校の情報収集など、塾がおこなってくれる役割のすべてを保護者の方が担う必要があります。さらに、お子さまが学習につまずいたときにはサポートをする必要が出てくるだけでなく、状況によっては志望校の見直しといった重要な判断を迫られる場面もあります。
仕事や育児をこなしながら中学受験のサポートをする場合は、保護者の方の負担が大きくなることを覚悟しておきましょう。
夏の塾デビューを全力応援!!
今、ご入会で【受講料無料】
中学受験を塾なしで成功させるための6つのポイント
塾なしで中学受験に挑戦する場合、以下6つのポイントが重要になります。
①志望校を決める
まずは目標となるお子さまの志望校を決めましょう。
志望校が定まると、その学校の入試で問われる知識やスキルに焦点を当てた、効果的な学習計画を立てられます。具体的な目標があることで、学習に対するモチベーションを高く保つことにもつながるでしょう。
志望校を決める際は、お子さまの学力や性格・通いやすさやサポート体制など、さまざまな観点から検討を重ねた上で、慎重に志望校を決めることが大切です。
ここで重要なのは、実際に中学に通うことになるお子さまの意思を尊重することです。お子さまとよく話し合い、お互いに納得できる志望校を選びましょう。
②長期的なカリキュラムを立てる
志望校を決めたら、次にカリキュラムを作成します。
長期的なカリキュラムを立てることで、各科目の学習目標と期限が明確になり、無駄なく学習を進められます。また、カリキュラムと実際の学習進度を比較できるため、受験当日までの学習進度を管理しやすくなるでしょう。
カリキュラム作成にあたっては、「どのような勉強を」「いつまでに」「どのくらい」という3点から考えるのがおすすめです。
カリキュラムは定期的に見直し、模試の結果や学習の進捗状況に応じて、柔軟に調整することが重要です。
③学習習慣と生活習慣を整える
学習習慣の確立は、塾なし中学受験の成功を左右する重要なポイントです。
中学受験をするお子さまは、まだ小学生であることを忘れてはいけません。小学生のお子さまが自ら勉強に取り組むのはハードルが高いため、習慣化には保護者の方のサポートが必要です。
まずは学習時間を確保するために、生活習慣を見直しましょう。1日のスケジュールを書き出し、学習時間に当てられそうな時間を見つけるのがおすすめです。ただし、学力の向上には規則正しい生活が欠かせません。睡眠・休憩・食事をとる時間もしっかりおさえておく必要があります。
学習時間を決めたらまずは机に向かうところから始め、徐々に学習習慣を確立していきましょう。
④定期的に復習する
学習した内容を長期記憶に定着させるためには、繰り返しの復習が欠かせません。
たとえば新しい単元を学習した後、1日後・1週間後・1か月後というように段階的に復習を行うことで、定着しやすくなるでしょう。
また、受験当日は時間内に問題を解く必要があるため、問題を解くスピードを上げていく必要があります。時間を計りながら問題を解くなど、スピードを意識した学習も取り入れてください。
⑤保護者の方が積極的に情報収集する
塾なしでの受験では、保護者の方による情報収集が重要です。
志望校の説明会への参加、学校案内の取り寄せ、入試情報の収集などを定期的に行いましょう。教育関連のサイトから、最新の入試動向や効果的な学習方法についての情報収集も忘れてはいけません。他の受験生や保護者の方の口コミからも、意外な情報が得られる可能性があります。
ただし、学校や地方公共団体などの公式が出したものでない情報は、必ず複数の情報源から判断する姿勢が大切です。
⑥お子さまのやる気を引き出す
中学受験の入試本番まで、お子さまのやる気を持続させるには、継続的なサポートが不可欠です。
小学生が長期間の受験勉強を続けるのは簡単なことではありません。定期的な声かけや励まし、小さな目標達成へのご褒美など、お子さまの努力を認めてやる気を引き出す工夫が必要です。志望校のオープンスクールへの参加や学校行事の見学なども、モチベーション向上に効果的です。
ただし、過度なプレッシャーは逆効果となるため、お子さまの性格や状況に応じた適切な距離感を保つことを忘れないようにしましょう。
塾なしで受験勉強する方法
塾に通わずに中学受験に臨む場合、主に以下3点の学習方法があります。
通信教育を活用する
中学受験に特化した通信教育を利用して学習を進める方法です。
通信教育は主に以下の内容で学習を進めていくことが多いです。
- 学習教材の定期的な配送
- インターネットを活用したオンライン学習
- 添削指導による学習のフォロー
- 進捗状況に応じた学習アドバイス
オンライン学習では、動画授業や演習問題が充実しており、理解が難しい単元も繰り返し学習できます。
教材の内容や指導方法は各社で特徴が異なるため、無料体験などを活用して、お子さまに合った教材を選びましょう。
家庭教師を利用する
家庭教師による指導は、お子さま1人ひとりの理解度や学習スピードにあわせた、きめ細かな指導が可能です。基礎学力の定着から受験対策まで、計画的に学習を進めることができるでしょう。
家庭教師には、個人で契約を結ぶケースと、家庭教師が在籍する会社を通じて依頼するケースがあります。会社を利用する場合、指導実績や信頼性の面で一定の安心感がありますが、費用は高額になる傾向があります。
家庭教師を依頼する上で重要なのは、家庭教師とお子さまとの相性です。優秀な家庭教師でも、お子さまとの相性が合わない場合、学習効果が上がりにくくなります。お子さまのモチベーションや学習意欲に大きく影響するため、家庭教師の指導スタイルや性格の相性は注意深く見極めてください。
市販で購入可能な中学受験教材
市販で購入可能な中学受験教材を利用して中学受験に挑戦することも可能です。ただし、この場合はお子さま1人で学習を進める難易度が高いため、保護者の方が勉強を教える頻度が高くなるでしょう。
教材選びのポイントは、以下の通りです。
- 解説が丁寧で分かりやすい
- お子さまの学習レベルにあっている
- 練習問題が充実している
- 解答の解説が詳しい
実際に教材を手に取り、上記ポイントを確認した上で購入してください。
もし、成績が伸び悩んだら
中学受験の勉強を進めていく中で、成績が伸び悩むことは珍しくありません。そのような場合には、塾の利用も検討しましょう。
塾には、中学受験に関する豊富なノウハウがあり、お子さまの学習状況にあわせて適切な指導を行ってくれます。同じ目標を持つ仲間と競い合うことで、モチベーションを維持できる可能性も高まります。
志望校合格の可能性を少しでも上げたい場合、通塾はお子さまの可能性を引き出すための有効な手段となり得るでしょう。お子さまの未来を大きく左右する中学受験では、保護者の方が後悔しない選択をすることが大切です。
「絶対に塾に通わない!」と頑なにならず、柔軟に考えてみましょう。
塾を選ぶ際は、お子さまの性格や学習レベル、志望校などを考慮し、慎重に選ぶことが重要です。多くの塾に無料体験があるため、実際に足を運んでみることをおすすめします。
夏の塾デビューを全力応援!!
今、ご入会で【受講料無料】
まとめ
中学受験を塾なしで成功することは、決して不可能ではありません。
しかし合格するためには、お子さまだけでなく、保護者の方の強い意志と、綿密な計画、そして何よりも継続的な努力が必要です。
塾なしでの中学受験に不安を感じる場合には、塾に通うことも選択肢の1つとなります。塾の無料体験などを活用し、お子さまと十分に話し合った上で、ご家庭に合う方法で中学受験に挑戦してください。