大阪の公立高校で設置されている文理学科。
設置当初から「ハイレベルな授業が受けられる」「難関大学に向けた受験対策が充実している」と人気を集めています。お子様が進学を検討している保護者の方も多いのではないでしょうか。
今回は文理学科のここ数年の入試倍率の推移と今年度の予想、普通科との違いや特徴、入試におけるポイントを解説していきます。
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文理学科とは
「文理学科」とは2011年に導入された大阪府の公立高校独自の学科です。
特に進学実績の高い下記10校に設置されており、ハイレベルな授業で難関大学に進学可能な学力を持つ生徒の育成をしています。私立高校での「特進コース」にあたる学科と考えて良いでしょう。
- 北野高校
- 大手前高校
- 高津高校
- 天王寺高校
- 豊中高校
- 茨木高校
- 四條畷高校
- 生野高校
- 三国丘高校
- 岸和田高校
設立当初は普通科と併設されていましたが、2016年に北野高校と天王寺高校が普通科の生徒募集を停止。それ以降すべての設置校で文理学科のみの募集に一本化されています。
文理学科と普通科の違い
文理学科と普通科の大きな違いは、専門性の高いカリキュラムと進学指導にあります。
例えば、「理数物理」などの専門学科や科目を25単位以上設定することが定められています。学年が上がるに伴い、文系と理系に分かれますが、横断的な学習も多く、学校によっては授業内で英語でのプレゼンテーションが課されたりするなど、レベルの高い授業が展開されています。国際化社会を勝ち抜く真の学力が身に着くと言えるでしょう。
なお、授業時間数そのものは普通科と大きく変わりませんが、進度や内容のレベルは明らかに高く、学習の密度は段違いです。
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文理学科の倍率推移
以下、文理学科10高の2025年度の倍率になります。
高等学校名 | 2024年度 | 2025年度 |
---|
豊中高校 | 1.57倍 | 1.49倍 |
北野高校 | 1.28倍 | 1.27倍 |
大手前高校 | 1.21倍 | 1.19倍 |
高津高校 | 1.56倍 | 1.29倍 |
天王寺高校 | 1.13倍 | 1.21倍 |
茨木高校 | 1.48倍 | 1.36倍 |
四條畷高校 | 1.19倍 | 1.44倍 |
生野高校 | 1.38倍 | 1.26倍 |
三国丘高校 | 1.47倍 | 1.31倍 |
岸和田高校 | 1.23倍 | 1.18倍 |
文理学科の倍率は、例年普通科より高倍率になる傾向があります。
2025年度、文理学科の全体倍率は1.3倍(前年度1.35倍)と、やや下がりました。対して、普通科の全体倍率は1.01倍と、倍率が低下した前年度から更に倍率が下がりました。この傾向は私立高校の授業料無償化制度が背景にあると考えられています。たとえば、普通科の中でも人気の高い難関校として知られる大阪府立寝屋川高校では、2025年度は定員割れを起こしており、公立高校全体に影響が及んでいます。
最も倍率が低かった文理学科は岸和田高校で1.18倍、最も倍率が高かったのは豊中高校で1.49倍です。
京都大学合格者を多く輩出していることで有名な北野高校は1.27倍でした。高校の授業料無償化の煽りを受けてもなお2025年度の倍率は2024年度同様高くなっており、依然として私立高校に負けない人気のある学校であると言えるでしょう。
また2025年ではトップの北野高校に次いで二番が四條畷高校となりました。
なお、2026年度も私立高校の授業料無償化制度の影響は継続が見込まれ、文理学科の倍率は引き続き1.2~1.3倍前後で推移する可能性が高いです。ただし、豊中高校や三国丘高校などの人気校は依然として高倍率が予想されるでしょう。
文理学科で学ぶことのメリット
文理学科最大のメリットは、「難関大学合格を見据えた学習環境」に身を置けることです。文理学科が設置されている高校には文理学科以外の学科がありません。
つまり、生徒全員が大学進学をめざして学んでいます。そのため、クラスの雰囲気や指導体制が一貫しており、モチベーションを保ちやすい環境です。
2025年度の京都大学合格ランキングでも、私立の名だたる名門校をおさえ、北野高校が首位に立ちました。
また、文理学科のどこも偏差値70前後とハイレベルな高校で知られています。高い学力を持った仲間たちと励まし合いながら日々の勉強を頑張ることができるので、非常に大きな成長機会と言えるでしょう。
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文理学科の入試のポイント
文理学科の入試で特に注意すべき点は、本番の試験結果の割合が非常に大きいことです。
本番での試験の結果と調査書の割合は7:3。圧倒的に試験での成績が重要視されるのです。
文理学科の国語・数学・英語では、大阪府の中でも最もレベルの高い「C問題」が採用されていることに加え、試験科目は理科・社会も含めた5科目すべてなので、学習ボリュームはかなり多いです。
ただし、調査書の割合が低いと言っても、学校での成績を疎かにして良いわけではありません。なぜなら文理学科への進学をめざす生徒の多くが、中学校ではトップクラスの成績です。
つまり、「調査書はほぼ満点」の生徒ばかりがライバルになり、少しでも調査書の点数を落とすと合否に影響することもあります。また、中学1年生から3年生まですべての成績が調査書に反映されますので、中学校入学当初からコツコツ学習を続ける必要があります。
英検活用で受験を有利に
大阪府の公立高校入試では、英検のスコアを加点・換算できる制度が導入されています。これは文理学科を受験する上で、非常に有利な制度です。
英検2級:英語の得点が80%保証
英検準1級・1級:100%満点保証
この制度を活用すれば、英語の入試対策を早めに終え、他教科の学習に集中することができます。文理学科合格をめざすなら、中学2年生のうちに英検2級以上を取得することが理想です。
まとめ
大阪府の文理学科は、難関大学をめざす生徒にとって非常に魅力的な選択肢です。2025年度の倍率は若干の下降傾向にありますが、トップ校では引き続き高倍率が予想されます。
2026年度以降も、私立無償化や進学実績、人気校の動向によって倍率に差が出ると予測されます。志望校の倍率や偏差値だけでなく、「どんな環境で学びたいか」という視点からも、文理学科を検討してみてください。