高校入試に挑む際は、事前に入試傾向などを把握しておくことで学習も効率的になります。しかし、2021年度の入試は新型コロナウイルスの影響で出題範囲の一部を除くことが発表され、例年とは異なっています。
今回は、大阪府の高校入試の日程や選抜方法について触れ、来年度の入試の変更点などを解説します。
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高校入試の学力検査の日程と追検査の方針
高校入試の学力検査の日程は、特別選抜が2021年2月18日で、一般選抜が3月10日です。新型コロナウイルス対策の臨時休校期間などがあったものの、日程を遅らせるのは難しいため、日程の変更は見送られました。
一般選抜後に設定されている追検査に関しては、インフルエンザの流行などに備えるため、可能な限り後ろ倒しにする方針となっています。現在は、追検査の具体的な日程はまだ決定していません。
大阪府公立高等学校入学者選抜の方法
特別入学者選抜に関しては、2021年2月18日に学力検査、2月19日に実技検査・面接が実施され、合格発表は3月1日に行われます(音楽科の実技検査は別日程となります)。
一般選抜に関しては、2021年3月10日に学力検査が実施され、合格発表は3月18日に行われます。
一般選抜の学力検査に関しては、以下のような配点です。
実施教科 |
国語 |
社会 |
数学 |
理科 |
英語 |
学力検査の成績 |
配点 |
90点 |
90点 |
90点 |
90点 |
90点 |
450点 |
合計450点満点を高校ごとに設定している満点に換算します。
調査書の評定については、以下の通りです。
1年生9教科(国語、数学、英語、理科、社会、音楽、美術、保健体育、技術・家庭)×5段階=90点
2年生9教科(国語、数学、英語、理科、社会、音楽、美術、保健体育、技術・家庭)×5段階=90点
3年生9教科(国語、数学、英語、理科、社会、音楽、美術、保健体育、技術・家庭)×5段階×3=270点
評定の合計は450点満点となります。総合点の算出と受験者の合否判定方法は、学力検査の成績450点と調査書の内申点450点の比重を各高校が選択して総合点を算出します。比重は、「7:3」、「6:4」、「5:5」、「4:6」、「3:7」の5パターンです。
■2021年度における入学試験の出題範囲の変更点
大阪府教育委員会は、新型コロナウイルスの感染拡大による長期休校を受けて、中学3年生で学ぶ内容の2割程度を出題範囲から除くことを決めました。
〇出題範囲から除外する内容
教科 |
内容 |
国語 |
・中学3年生で学習する内容のうち『書写に関する事項』 |
・中学校で学習する漢字の一部 |
社会 |
・公民的分野のうち,次に挙げる内容 |
・『私たちと経済』のうち「国民の生活と政府の役割」 |
・『私たちと国際社会の諸課題』 |
数学 |
・中学3年生で学習する内容のうち,次に挙げる内容 |
・『図形』のうち「円周角と中心角」「三平方の定理」 |
・『資料の活用』 |
理科 |
・第1分野のうち『科学技術と人間』 |
・第2分野のうち『自然と人間』 |
英語 |
・『現在分詞及び過去分詞の形容詞としての用法』のうち「後置修飾」 |
・「大阪版中学校で学ぶ英単語集」にある単語の一部 |
中学3年生の後半に学習する範囲を中心に対象とされています。しかし、今後の状況次第では、12月末時点で再度出題範囲の見直しが行われる可能性があります。
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■チャレンジテストの変更点
6月に予定されていましたが、中止となった中学3年生対象のチャレンジテストは、2020年1月に実施された2年時の結果を調整し、代替えとすることが決まりました。
公平性を保つために、評定を確定する際の府内共通ルールは、基準の幅を広げて対応しています。
■入試倍率1.3倍が意味すること
昨年の全日制の入試は37,014人の定員に対し、41,822人が出願し、平均倍率1.13倍でした。今年も一般選抜では文理学科の人気が高く、北野高校や天王寺高校が最難関校であることが認知され、豊中高校や高津高校に受験者が集中する傾向もがうかがえます。
また、門真なみはや高校の1.46倍は驚異的で、普通科では春日丘高校と肩を並べるほどの高倍率です。たとえば360名の定員に対して倍率が1.3倍になると、不合格者が100名ほど出ることになります。
高校の入試で合否を分けるのは、学力検査での「ケアレスミス」の有無です。1点や2点で合否が別れる可能性があります。受験生のみなさんは、「ケアレスミスをなくす」ことを徹底しましょう。