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大阪府公立高校の定員割れ?応募倍率の低下と影響について解説

大阪府公立高校の定員割れ?応募倍率の低下と影響について解説

2024年春、大阪府公立高校の定員割れが問題となりました。

定員割れとは学校が公表している定員人数に対して、学生からの受験希望者数が下回ることを指します。受験倍率であれば1倍未満の状態は、定員割れしていると判断できます。

近年の少子化などの影響もありますが、なぜ定員を満たせない状況になったのでしょうか。

「なぜ大阪の公立高校は定員割れしたの?」
「公立高校が定員割れしたけど私立高校はどうなの?」

高校受験を控えているお子さまのいるご家庭では、上記のような疑問をお持ちの方も多いでしょう。

本記事では、大阪府公立高校が定員割れした原因や応募倍率の低下と影響について解説しています。大阪府の高校受験を検討されている方はぜひ最後までお読みください。



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大阪府公立高校が定員割れした原因

大阪府公立高校が定員割れした原因は「私立高校の無償化」や「通信制高校への志願者の増加」の2つが挙げられます。

私立高校の無償化、通信制高校への志願者増加はこれからの教育環境を考える上で大きな影響を及ぼすかもしれません。

2つの原因を詳しくみていきましょう。

私立高校の無償化

定員割れの原因の1つ目は、私立高校の無償化です。

私立高校が無償化したことで私立高校を志望する生徒が増加し、公立高校への志願者数が減少しました。その結果、大阪府公立高校が定員割れを起こしました。

大阪府が公表したデータによると、一般選抜の公立高校を志願した生徒は2023年から2024年で2,375人減少し、志願倍率の平均も同様に1.05倍と減少しています

一方、私立高校は大阪私立中学校高等学校連合会が公表したデータによると専願による受験者数は、2023年から2024年にかけて1,524人増加し、専願率が31.6%となりました

私立高校の無償化は、大阪府公立高校の定員割れを引き起こした理由の1つだと言えるでしょう。

参照:データで見る府立高校(入学者選抜結果・定員・学校別在籍者数)|大阪府
参照:令和6年度大阪私立高等学校生徒応募状況一覧|大阪私立中学校高等学校連合会
参照:令和5年度大阪私立高等学校生徒募集状況一覧|大阪私立中学校高等学校連合会

通信制高校への志願者の増加

定員割れの原因の2つ目は、通信制高校への志願者の増加です。

通信制高校の生徒数が増加した理由は色々とありますが、コロナ禍を経てオンライン授業が浸透したことによる学習方法の多様化、不登校の経験やライフスタイルの変化など様々です。

大阪府が公表しているデータによると通信制の高校に通っている生徒数は2023年時点で、公立が1,937人、私立は16,537人です。この数値は2022年と比較すると公立は132人、私立は1,503人とそれぞれ増加しました。

さらに文部科学省が公表しているデータでも、全国で通信制の高校に通う生徒数は2019年以降増加傾向にあります。2019年は197,696人、2022年では238,267人と40,571人も増加しました。

通信制高校を選択する人が増加したことも、公立高校の受験者数の減少に影響していると言えるでしょう。

参照:令和5年度(2023年度)大阪の学校統計|大阪府
参照:文部科学統計要覧(令和5年版)|文部科学省

大阪府が私立高校を無償化にした背景

大阪府が私立高校を無償化にした背景には以下の理由が挙げられます。

  • 自由に学校選択できる機会の保障
  • 公私の切磋琢磨による大阪の教育力の向上

上記のように、家庭によって教育を受ける機会が制限されない、子育て世代の教育負担を軽減して暮らしやすい大阪を実現するという目的があります。私立高校の無償化は、2024年2月大阪府議会の定例会を経て正式に決定しました。

しかし、2024年から無償化が始まるわけではありません。2024年から段階的に採用され、2026年に全学年で無償化が完了します。そのため2024年と2025年では経過措置で一部金額が保護者負担となります。

例えば2024年に中学3年生のお子さまがいる家庭では、年収が910万円以上であれば無償化の対象外となり、授業料は保護者が全額負担します。年収や子供の人数によっても負担額が異なるため注意してください。

一方、入学金や制服代、修学旅行積立金は無償化の対象外です。入学金の用意が難しい場合は、大阪府が無利子の貸付制度を整備しているので利用を検討しましょう。

参照:令和6年度以降の私立高校等授業料無償化制度の改正(案)について|大阪府



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大阪府の高校受験の志願者数推移

ここからは大阪府の高校受験の志願者数の推移をご紹介します。
公立高校と私立高校それぞれ直近5年間の推移をみることで傾向がわかります。

公立高校

公立高校は直近5年を比較すると2020年が24,177人と最大の志願者数でしたが、以降は減少傾向で2024年は21,402人と最少人数でした

年度志願者数
2020年24,177人
2021年22,234人
2022年23,207人
2023年23,125人
2024年21,402人
参考:データで見る府立高校(入学者選抜結果・定員・学校別在籍者数)

私立高校

私立高校の直近5年を比較すると2024年が19,994人で最大の専願者数になりました。最少は2023年の18,470人であるものの、2020年以降は増加傾向にあると言えます。

年度専願者数
2020年18,734人
2021年18,746人
2022年19,159人
2023年18,470人
2024年19,994人
参考:大阪府私立高校別入学者選抜結果

大阪公立高校の定員割れが続く場合

大阪公立高校の定員割れが続く場合、3年ルールが適用される可能性があります。

3年ルールとは、「入学志願者数が3年連続で定員割れし、その後も改善見込みがないと認められた学校は、再編整備の対象となる」と条例で定められています。

3年ルールが採用された背景には、少子化により児童数が減少しているものの学校数は、児童数と比較して減少していない傾向にあるためです。この条例には学校配置の適正化を推進させ、子供の教育環境を整備する目的があります。

参照:大阪府立学校条例第一章第二条|大阪府

実際に統廃合が決定した高校

3年連続で定員割れした公立高校は統廃合の対象になるということですが、実際に統廃合が決定した高校を一部紹介します。

2022年に教育委員会の決定により3年ルールが適応され平野高校、かわち野高校、美原高校の府立高校の入学者募集が2024年から停止となりました。この3校は2025年度末で閉校予定です。

ほかにも2023年に阿武野高校、野崎高校、りんくう翔南高校が機能統合されました。さらに2024年には松原高校、枚岡樟風高校、大塚高校が機能統合予定です。機能統合とは、統合対象の高校が培ってきた教育活動を統合先の高校に継承させることを指します。

上記のように大阪府内では定員割れが続いた高校は統廃合の対象となり、学校数が減少しています。

定員割れで起きる2つの影響

定員割れによって起きる影響は以下が考えられます。

  • 部活動数の減少
  • 教員数低下による教育の質低下

定員割れは生徒数が少ないことを意味します。その結果、教育・部活動の両方で悪影響が考えられます。定員割れの影響をあらかじめ理解して、進路選択の参考にしてください。

部活動数の減少

定員割れすると生徒数が減少しますので部活動の数にも影響します。特に団体スポーツは必要最低人数が決まっているため、減少が続くと部活動の維持運営が困難になります。

部活動が減少することで生徒が希望する活動が満足にできないこともあるでしょう。コミュニケーションの機会、チャレンジする機会が無くなるといった悪循環に陥る可能性があるため注意が必要です。

教員数減少による教育の質の低下

定員割れにより教員の採用人数が減少することで、教育の質が低下する恐れがあります。

教員数が減ってしまうと、授業の準備や進路相談、生徒指導など1人当たりの対応しなければならない業務が増加し、教育の質を維持することが厳しくなります

また、教科や科目の多様性も減り、生徒が興味を持つ分野での学習機会が制限される可能性もあります。このような状況は、学校全体の教育の質を低下させ、生徒の学習意欲や成果にも悪影響を及ぼすことが懸念されるでしょう。



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まとめ

大阪府公立高校の定員割れには、私立高校の無償化や通信制高校への志願者数の増加などの理由が考えられます。生徒が集まらないと、公立高校は統廃合を余儀なくされ部活動や教員数の減少にも繋がってしまいます。

事前に志望している公立高校が定員割れしていないかあらかじめ確認しておきましょう。定員割れしていると合格する可能性は上がりますが、教育の質が担保されない恐れが出てきます。

入学してから後悔をしないよう、本記事を参考に高校選びをしてください。

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