高度情報化、グローバル化、少子高齢化といった現代社会の変化とともに、近年、中学校教育のあり方も大きく変わりつつあります。今回ご紹介する「アクティブラーニング」の導入も、そのひとつ。
アクティブラーニングは、未来を生きる子どもたちに必要な教育の主柱となるのでしょうか。今回は、この新しい教育指導法についてご紹介します。
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アクティブラーニングってなに?
アクティブラーニングとは、子どもたちが自ら主体的に授業に参加する学習のこと。先生が一方的に教科書を読んだり説明をしたりする授業とは異なり、グループディスカッションやディベート、グループワークなどがメインとなります。
もともと、アクティブラーニングは大学教育において使われていた言葉でした。教師が一方的に講義し、それを学生が黙々とノートに書き写す……そのような受け身の学習をやめ、もっと能動的に参加する学習に転換しようという試みが、アクティブラーニングの始まりだったのです。
そんななか、2014年頃からアクティブラーニングを高校教育や中学教育、小学校教育にも積極的に取り入れようという動きが始まりました。現在では本格導入にむけた準備が進められており、2018年には移行措置が、2020年には全面的実施が行われる予定となっています。
アクティブラーニングで身につく力って?
日本の教育現場では、昔から知識をたくさん詰め込むことがよしとされる風潮がありました。高校入試や大学入試では知識量がカギとなるような出題がほとんどであったため、おのずと学習時間の多くを知識の習得に使ってしまっていたのです。
しかし近年になって、このような従来の学習方法や教育方針に疑問を投げかける声が大きくなりました。教育現場では、詰め込み型学習の結果、思考力や判断力、表現力の育成が不十分になり、本当の意味での「学力」が身についていないという危機感が広がったのです。
そんななか登場したのが、アクティブラーニングでした。従来のように「既存の知識をできるだけたくさんおぼえる」というのも大切なことですが、これからの時代を生きる子どもたちにとってそれ以上に必要なのは、既存の知識を応用して新たな問題を発見し解決する力や新しい価値観を創造する力です。
こういった力は、かつての日本の教育現場でよく見受けられた「先生が一方的に教え、生徒はひたすらノートをとる」といった受動的な学習スタイルでは身につきません。グループワークやディスカッションなどをとおして、子どもが自ら積極的に考えたり、意見を言ったり、ほかの子どもと協力したりすることによってはじめて、得られるものだといえます。
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アクティブラーニングの導入で大学入試も大きく変わる!
アクティブラーニングの本格導入にともない、2020年度から大学入試は大きな転換をむかえるといわれています。
最大の変更点は、「思考力・判断力・表現力」が入試において評価の中心になるということ。従来のような知識の暗記が勝負となる入試から、大きく変化することとなります。
現状のセンター試験は廃止され、かわりに「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」と「高等学校基礎学力テスト」が導入されます。このほか、小論文やプレゼンテーション、集団ディベートなどが試験に採用される学校も。
もちろん、だからといって知識や学力がいらなくなるというわけではありません。難関大では、引き続き幅広い知識や高い学力が必要とされるでしょう。しかしそれ以上に、「自ら課題を発見する力」や「答えをじっくり考える力」そして「自分の考えを表現する力」が重要になります。
こういった力を身につけるには、日頃から主体的に物事をとらえ、自分自身で考え、判断し、結論を出すという「習慣」をつけておくことがカギとなります。2020年度以降に大学入試を受けるご家庭は、この変更点を見据えたうえで、学習の仕方や生活全般における姿勢を見直すことが大切です。
アクティブラーニングによって期待される「自ら考え、行動する力」「他者と協力する力」「新たな問題を発見・解決する力」の習得。これらの力は、学習面においてだけでなく、生活全般、もっといえば人生において大きな財産となります。
アクティブラーニングの導入にともない、ぜひご家庭でもこういった力を身につけられるよう、お子さんが前向きに、主体的に物事に取り組める工夫をしてみてはいかがでしょうか。