夏休みの恒例行事ともいえる「青少年読書感想文全国コンクール」。
毎年課題図書が発表されますが、それ以外の本を読んで書いた読書感想文でも応募できることをご存じですか?
青少年読書感想文全国コンクールには、課題図書が対象の「課題読書」と、子どもが自由に本を選べる「自由読書」の2つの区分があるのです。
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入賞しやすさに差はあるの?
青少年読書感想文全国コンクールの審査は「地方審査→中央審査会」の2段階で行われます。
都道府県審査会では、学年別の部門ごとに「課題読書」と「自由読書」から1編ずつを選定するので、課題読書と自由読書の選ばれやすさは平等です。
なお、最終的な「最優秀作品」や「優秀作品」は、課題読書・自由読書を合わせた中から、決められた数だけ選ばれます。「最優秀作品」は、学年別部門ごとに、毎年1編のみ。
そこで、過去5年間に課題読書・自由読書から最優秀作品に選ばれた回数を調べてみました。
| 低学年 | 中学年 | 高学年 | 合計 |
---|
課題読書 | 2 | 5 | 3 | 10 |
自由読書 | 3 | 0 | 2 | 5 |
第60回(2015年)~第65回(2019年)の5年間
小学校低学年・中学年・高学年の3部門の入賞者発表より
このように、5年間の最優秀作品については課題読書3分の2、自由読書3分の1と、やや課題読書が多く選ばれる傾向が見られますが、一概に自由図書が選ばれにくいということではありません。
「読書感想文は課題図書のほうが有利」ということではなく、「よく書けた読書感想文が受賞する」といえるでしょう。
決め手は興味関心に合う「本選び」
よい読書感想文を書くには、よい読書体験が欠かせません。
「よい読書体験」とは、本を通じて心を動かされたり、自分を見つめなおしたり、わからなかったことが解決できたりすることだといわれます。
毎年発表される「課題図書」は、本の専門家の方々が、「子どもの興味や関心を引くかどうか」「多くの感動や知識が得られるかどうか」といった基準によって選んだものです。
本のプロが各学齢に合わせて厳選した「子どもにとってよい読書体験を得やすい本」ですから、それだけ読書感想文が書きやすい要素を備えた本といえるでしょう。
一方、「自由読書」には、子どもの興味・関心に沿った本を選べるというメリットがあります。
読書感想文で高評価されるポイントのひとつが、「自分の体験や抱負を盛り込むこと」。
そこで、「野球をしている子が野球選手の伝記を読む」など、興味・関心に沿った本を選んでみることをおすすめします。自身の体験や新たな気づき、心の動きなどが盛り込みやすく、イキイキした読書感想文が書けるでしょう。
読書感想文は、子どもが面白い本に出会い、読書の楽しさを知るチャンスです。
「課題図書か自由図書か」にこだわる必要はありません。「子どもが楽しく読めそうかどうか」「子どもの興味・関心をひく要素があるかどうか」を基準に選びましょう。それが、読書感想文に対する評価にもつながります。
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感想文の苦手意識をなくす方法
一方で、興味のある本を選んで読んではみたものの、いざ作文用紙に向かうと何も書けない、となってしまう子がいます。もともと読書量が足りなくて、使える「言葉のひきだし」が少ないというのもありますが、大きな原因は別のところにあることも。
「内容から何か学んだことを盛り込みましょう」「前向きな感想を書きましょう」。書き方の丁寧な指導もないまま感想文を書きましょうと言われ、なんとかしぼり出した文章に、こんなふうにダメ出しされたら・・。大人でもペンが止まってしまいますよね。
こんな経験を何度か繰り返すうちに『読書感想文は苦手』の意識はすっかり定着してしまいます。今回はこの『読書感想文は苦手』の意識を白紙化するちょっとしたワザをご紹介して結びにしたいと思います。
それは「感想文だから感想を書かなければいけない」と凝り固まっている思い込みの枠を外してあげる方法です。やり方はいたってシンプル。「読書感想文を書きましょう」といういつもの設問を「読んだ本を誰かに紹介する文章を書いてみよう」に置き換えるだけです。
紹介する相手は親しい関係の人がいいでしょう。お母さんでも友だちでも、本人が気兼ねなく話せるような相手なら誰でも構いません。紹介文ですから無理に感想を書く必要はありません。読んだ本の内容を気の置けない相手に自分の言葉で伝えるだけです。
それだったらできるかも!と感じた子どものペンは意外とすんなり動き始めます。最初は内容紹介と思って書きだしたとしても、親しい相手には本のいいところを伝えたくなるもの。書き終えるころには自然と読書感想文らしきものになっていたりするものです。
完成したら、できるだけアラには目をつむって良いところを見つけて褒めてあげるだけです。何回かやるうちに苦手意識は雲散霧消していくはずです。
いよいよ夏休み、この方法を試してみてはいかがでしょうか。