高校受験において、内申点というのは合否を決めるうえで大きなウエイトを占めるものです。
公立高校の入試であれば、5教科の学力試験の点数に内申点の合計値をプラスして合否が決まります。
制度は都道府県によって異なりますが、1~3年生の各学期の全ての内申点を加味する制度を設けているところが多い傾向があります。
また、私立の推薦入試においても、中学校側から推薦を出せるかどうかは内申点が大きく関わってきます。
高校受験をするうえで、避けては通れない内申点。1点でも多く欲しいところですが、どうすれば通知表の点数を上げられるのでしょうか。
今回はお子様の内申点を1点でも上げたい方のために、内申点の上げ方のポイントをご紹介します。
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通知表の内申点のつけ方
まずは内申点がどうやってつけられるのかを確認していきましょう。
通知表の内申点、いわゆる評定を決める基準として「観点別評価」というものがあります。
観点別にそれぞれA~Cの評価をつけて、その評価を総合的に見て1~5の評定をつけます。
観点は次の3つになります。
①知識・技能
②思考・判断・表現
③主体的に学習に取り組む態度
それぞれ見ていきます。
①知識・技能
授業で学んだ知識や技能を習得して、問題に活用できているかどうかを判断します。
数学の公式や英語の文法など、授業中に先生が「覚えておくように」と解説してくれた知識をいかに理解してアウトプットできるか。
定期テストの点数が低いようであれば、この項目においてA評価を獲得するのはまず難しいでしょう。
②思考・判断・表現
筋道をたてて考える力、情報を読み取って活用する力、自分の言葉で表現する力をあらわします。
主にグラフ・表問題や記述問題の点数から判断されるのがこの項目です。
③主体的に学習に取り組む態度
この項目はその名の通り、科目に対しての学ぶ姿勢です。
授業中に積極的に発言したり、提出物は期限を守ってきちんと出したりと学ぶ意欲を見せているかどうかでA~Cの評価がつけられます。
この項目だけはテストの点数など関係なく、常日頃の行動から先生が判断するものなので、3つの中で一番A評価をもらいやすい項目であるとも言えます。
以上が2020年度から改訂された、3つの観点別評価項目になります。
学校の先生は普段の授業中の生徒の学ぶ姿勢や取り組み方、宿題や提出物、そして定期テストや小テストの結果から総合的に判断して各項目に評価をつけ、評定を定めます。
つまりはこれら3つの観点に高評価をもらえない限りは内申点も上がりません。
では、どのようにすれば高い評価をもらえるのでしょうか。
それにはいくつかポイントがあります。
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内申点を上げる7つのポイント
具体的にいかにして内申点を上げていくのか。
そのために確認しておきたいポイントは以下になります。
①授業態度を見直す
②提出物の期限は守る
③提出課題の完成度を高める
④授業に積極的に参加する
⑤小テストの点数をとる
⑥定期テストの点数をとる
⑦先生に相談する
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
①授業態度を見直す
まず最初に確認すべきポイントは授業態度です。
これは「主体的に学習に取り組む態度」の評価に大きく影響します。
簡単にいうと、意欲的に授業に取り組めているかどうかを採点されます。
例えば、授業中に居眠りをしたり、私語をして騒いだり、授業に遅刻をしたり忘れ物をするなどの行為は評価を落としてしまいます。
授業に集中できていれば、上記のような行動はしないはず。
今、子どもが学校の授業中に上記のような行為をしてしまっているのであれば要注意です。明日からすぐに行動を改めるようにしましょう。
先生に好印象に映るよう、正しい学習への姿勢を意識して授業に集中すれば授業態度に関しての評価点をもらえます。
子どもの意識から変えていきましょう。
②提出物の期限は守る
次に見直すべきポイントは提出物です。
お子様は提出課題の期限は守れていますか?期限は必ず守るようにしましょう。
教科担任の先生によっては、中身の完成度よりも期限までにちゃんと提出できたかどうかで評価点をつける場合があります。
なかには期限を過ぎたらどんなに素晴らしい内容だとしても一切評価しない先生もいるほどです。
中身を伴わせることも大事ですが、まずは最低限、期限を厳守しましょう。
子どもだけではどうしても甘えが生じてしまい、期限に提出できないといった場合には、「親が進捗を管理する」ことも視野に入れてください。
ただし、ずっと管理するのではなく、あくまで最初のうちだけ。最初だけでも厳しい目で見れば、その後は自分で期限を守ってくれるはずです。
③提出課題の完成度を高める
提出期限を守るという最低限のポイントがクリアできたら、次は中身に目を向けていきましょう。
提出物はただただ出せば良いというものではありません。中身が伴っていてこそ、プラスの評価を得ることができます。
中学生の提出物で特に多いのが、教科書準拠のワークです。
定期テスト当日やテスト終了後に提出となるケースがほとんどですが、テスト範囲のページを全て解答し、丸つけまで終わらせて提出しなければいけません。
これが主要教科はもちろんのこと、副教科までもワーク提出ということになれば大変。
答えを丸写しして提出しようとする子どももいるかもしれませんが、それはやめてください。子どものためになりませんし、先生も気づくでしょう。
「自分で考えて問題を解いていない」というように見られ、厳しい評価をつけられてしまいます。
では、どうやってワークの完成度を高めるのか。
そのためには、なぜクオリティが下がってしまうのかを考えてみましょう。
それは時間の余裕がないからです。
テスト2週間前や部活動がテスト期間で休みに入ってから本格的に取り組み出したのでは到底終わりません。結果として、無理やり終わらせるために答えを写して提出しようとしてしまいます。
ワークの完成度を高めるコツはただ1つ。
学校の授業で取り上げられたページはその日のうちに取り組むことです。
テスト期間にまとめて取り組むから時間が無くなるわけで、前もって授業を実施したときからコツコツ取り組んでいれば時間の余裕は必ず生まれるはずです。
時間の余裕があれば、きちんと自分の頭で考えて問題に取り組むことができます。
そうすることで提出課題の評価にもつながりますし、自分の頭で考えることによって知識も絶対的に定着しやすくなるので、良いことしかありません。
④授業に積極的に参加する
授業中の積極的な姿勢というのも評価の対象になります。
わかりやすいところでいうと「発言」です。
板書している姿勢を見せるのはもちろんのこと、先生が板書していないことでも大事なポイントはノートにとり、発言を求められたときは積極的に挙手するなど、アピールの機会を無駄にしないようにしましょう。
また、授業後にわからない点を直接質問しに行くのも好印象で、点数アップにつながることもあります。
なかには授業中に発言するのが苦手、先生に質問するのが苦手というお子様もいるかと思いますが、挙手をしない、発言をしないからといって評価が下がるということはありません。
これらはあくまでも評価が上がる可能性があるということです。授業中に先生にアピールできないのであれば、他のポイントで頑張りましょう。
⑤小テストの点数をとる
内申点の評価には中間テスト期末テストだけでなく、小テストの結果も加味されます。
ここでいう小テストというのは、各単元や範囲が終わるたびに行う確認テストの意味合いで課されるテストのことをいいます。
計算テストや英単語テストなど基本的な問題が多く、毎回の授業の復習になる確認テストなので満点をとることは難しくありません。
授業で扱った内容のみが出題され、応用問題などが出題されることはかなり少ないです。
なので、毎回満点をとって当たり前くらいの気持ちで臨みましょう。
教科書に記載されている問題やワークにある計算問題、単語問題などといった基本問題をくり返し解くことで授業内容は頭の中に定着するはずです。
毎回こういった復習をちゃんと行っておけば、いざ小テストを実施するとなったときに慌てる必要はありません。今まで解いたノートを見直したり、問題を見直す程度で十分です。
一度問題に触れていれば、見直すだけで知識は頭の中に戻ってきます。
その状態で小テストを受ければ満点は容易にとれることでしょう。
⑥定期テストの点数をとる
小テストの点数をとったら、いよいよ本丸の定期テストです。
正直この結果が内申点に及ぼす影響が一番大きいのもまた事実です。
先にご紹介した①知識・技能 ②思考・判断・表現 の2つに関しては、定期テストの点数から判断される場合が非常に多くあり、かなりのウエイトを占めます。
特に副教科よりも5教科の方が、より定期テストの点数は重視される傾向にあります。
定期テストで点数をとるには、問題演習の量をこなすことは必須です。
そして学校の先生はワークの問題から類似したものをテスト問題として作成するケースも多いので、ワークをくり返し解くことが定期テストの点数アップには一番の近道となります。
ワークに直接書き込んで提出しなければいけない場合は事前にワークのテスト範囲ページをコピーしておくなどして、何度でも演習ができるようにしておきましょう。
また、塾に通われているのであれば、テスト範囲から構成される予想問題を与えてもらえることもあるでしょう。
テストで点数をとるためには、インプットよりもアウトプットの練習の方が何倍も大切。どのような問題が出題されるのか事前に目を通し、学んだ知識のアウトプットの練習でとにかく量をこなしましょう。
これもテスト前に限らず、常日頃からコツコツと行っていくことで、余裕を持って学習ができ、学習効率も格段によくなります。
この記事を読んだ今日、その時から行動しましょう。
⑦先生に相談する
最後のポイントは先生に直接相談してみるということです。
ここでいう相談とは、授業内容のことを質問するということではなく、内申点に関して教科担当の先生に相談するということです。
例えば、3を4にしたい、4を5にしたい教科がある場合にその教科の先生のところに行き、「がんばりますので、どうやったら内申点が増えますか?」とズバリ質問してみましょう。
内申点をつけているのは該当教科の先生なので、何かの根拠をもとにその評価をくだしているわけです。
自分に何が足りないのかを知ることができれば、あとはそれを補う行動を起こすだけ。自分では気付かない欠点を客観的に知ることのできる機会でもあるので、相談してみることをおすすめします。
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まとめ
今回は中学生の内申点の上げ方についてご紹介しました。
高校受験が学力試験の得点+内申点で合否を決めている以上、内申点の評価には常に目を光らせておく必要があります。
どの教科においても共通して言えることは、余裕を持って学習できるように常に早め早めで行動することです。テスト期間に入ってから勉強を始めるようでは、もう失敗する未来は見えています。
内申点は中学校3年間の積み重ねで評価されます。1年生の1学期の通知表記載分から受験にかかわってくる場合、いざ受験を意識し始める3年生から頑張っても、もう手遅れです。1,2年生の時の内申点はどうしようにも変えられない数字なのです。
したがって、高校入試に向けてどれだけ早く内申点の意識を持ち始めるかが大事になるでしょう。その意識の定着で必要になるのは、やはり親の働きかけです。
お父さんお母さんが子どもに内申点の重要性、定期テストや提出課題の重要性を説くことが第一歩です。
その一歩が内申点アップにつながっていきますので、しっかりと子どもにフォローしてあげてください。