子どもの勉強意欲を向上させるためには、成功体験が重要だといわれています。
成功体験は「やればできる」という自己効力感を育て、難しい課題にも取り組むチャレンジ精神を生み出すために欠かせません。
成功体験から得られる効果は幾つもあり、大人になってからの人生にも大きく影響します。子どもの頃から積み重ねていくことが大切といえるでしょう。
この記事では、子どもの成功体験と勉強について解説します。成功体験の重要性や得られる効果についてお伝えしますので、最後までご覧ください。
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子どもにとっての成功体験とは
成功体験は、勉強でもスポーツでも習い事でも日常生活の中に経験する機会があります。
例えば、難しい計算問題を1人で解けた、跳び箱が飛べるようになった、ピアノが上手に弾けたなどです。
子ども自身が「できた!」「やったー!」と喜びを感じられた体験であれば、どれもが成功体験といえるでしょう。
このとき大事なのは、比較する対象が周囲ではなく、自分自身であるということです。
「周りの子はできていないけれど、自分はできた」ではなく「今までできなかったけれど、努力したことでできるようになった」という経験こそが成功体験なのです。
成功体験のために大がかりな課題を準備する必要はありません。学校など日々の暮らしの中で小さな「できた」を子ども自身、あるいは親子一緒で見つけてあげるといいでしょう。
成功体験で得られる効果
成功体験には、さまざまな効果が期待できます。成功の前には、失敗や挫折もありますが、それも含めてさまざまなことを学んで、大きく成長させてくれます。
- モチベーションが向上する
- 学習能力がアップする
- 自己効力感を高め、自信がつく
- 自己肯定感が向上する
- 余裕が生まれる
- チャレンジできるようになる
これらは相互関係にあるため、成功体験を積み重ねれば積み重ねるほど、効果を得られます。
大人になってからの仕事や人生にも大きく影響するため、子どもの頃からできるだけ多くの成功体験を積むことが重要になります。
モチベーションが向上する
成功体験により脳内ホルモンの一種であるドーパミンが分泌され、モチベーションを向上させます。
ドーパミンは、充実感ややる気、幸福感をアップさせるホルモンです。
成功体験の積み重ねのためには、モチベーション維持が欠かせません。
「楽しい」「嬉しい」と感じることを継続すると、ドーパミンの分泌はどんどん活性化されるのでうまく活用していきたいものです。
学習能力がアップする
成功体験によりドーパミンの分泌が活性化されると、学習能力アップが期待できます。
ドーパミンは学習に必要な情報を一時的に記憶し、処理する能力である「ワーキングメモリ」にも影響すると言われています。
新しいことを学び、成功することでドーパミンの分泌が増えて学習した内容の定着を促します。
新しいこと学べると期待するだけでもドーパミンは分泌されるので、好奇心が旺盛な人ほど効果を得やすいでしょう。
自己効力感を高め、自信がつく
できなかったことを乗り越えることで、自分に自信が持てるようになります。
「自分ならやればできる」という経験から生まれる自信です。
自信がつくことで自己効力感が高まります。自己効力感とは「やればできる」「きっとうまくいく」というような認知状態のことです。
自己効力感が高まれば、目の前の難しい課題にも怯むことなく取り組めるようになるでしょう。
自己肯定感の向上
成功体験は、自己肯定感にも大きな影響を与えます。
自己肯定感は、ありのままの自分に「価値がある」という自分自身を認められる力のことです。
目標を達成した、難しい課題に取り組めたなどの成功体験により、自分の強みや価値を認識して自己評価が上がります。
自己評価が上がれば、自ずと自分自身を認めることができるでしょう。自分に自信を持ち、難しいことや新たなことに対して意欲的に取り組めるようになります。
余裕が生まれる
成功体験により自信がつくことで、心に余裕が生まれます。難しくても「できる」という自信から生まれる余裕です。
精神的に余裕がない状態だと適切な判断ができなかったり、普段は簡単にこなせることも、うまくいかなかったりします。冷静な判断や行動には、心の余裕が欠かせません。
また、余裕がないと様々なことに不安を覚えたり、ストレスを感じたりしがちです。
精神的な安定を得るためにも、成功体験から生まれる余裕は効果があります。
チャレンジができるようになる
成功体験は、新しいことへのチャレンジ精神を生み出します。過去の成功体験が「やればできる」ことを教えてくれるからです。
成功体験を積み重ねている人は、失敗体験もそれなりにしています。そのことから、もし失敗してもチャレンジや行動がなければ「成功」もないことを知っています。
成功体験をもとに、成功までのプロセスを考えながら行動できるのも強みとなるでしょう。主体的に動けるだけでなく、成功までのスピードも早くなります。
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勉強における成功体験とは
子どもたちの勉強における成功体験はわかりやすいもので言えば、テストの点数や成績が上がることです。
目に見えてわかる成果であり、子どもたちにとっても成功を実感しやすいでしょう。
ただ、結果だけを「成功」と言ってしまうのはもったいないですよね。例え失敗したとしても、その過程を経験していることで、子どもたちは日々何かしら成長しているからです。
「目標には届かなかったけど、頑張って勉強したから点数が上がったし自信がついた」と、努力したことは決して無駄ではないと、子どもたちに気づいてもらうことが大切です。
子どもは結果に目がいきがちなので、親は結果と合わせてその過程にも注目して褒めてあげましょう。
また、やりきったという達成感を味わうことも、大切な成功体験と言えます。例えば、1週間後までに英単語を100個覚える、週末に本を1冊読み切るというようなものです。
自ら決めた目標に向かって行動して、やり遂げることで達成感を得られます。しっかりと子どもをサポートしてあげましょう。
スモールステップで成功体験を積み重ねる
高い目標や難しい課題に向き合う際に、モチベーションを維持しながら最後までやりきるためには、目標や課題を細分化して成功体験を重ねていく方法が有効です。
目標を細分化して目標や課題の達成を目指す手法のことを「スモールステップ」といいます。
目標があってもハードルが高すぎると、達成までの道のりが長くモチベーションが続かない人も多いでしょう。また、目の前の課題が難しすぎて諦めてしまう人も少なくありません。
目標をできるだけ細分化し、目の前のハードルを低くすると「できた」という達成感を得やすくなります。
達成感は子どもたちの自信となり、最終的な目標達成までのやる気やモチベーション維持にも効果的です。
成功体験を積み重ねるための勉強方法
日々の勉強で成功体験をコツコツと積み重ねていきましょう。大きな成功である必要はありません。小さな成功体験が大きな成功へとつながります。
以下は、成功体験を積み重ねるための勉強法です。
- やることリストを作る
- できたものはリストにチェックを入れる
- 好きな科目・得意な科目から勉強する
子どもが勉強に取り組んだときに、達成感を得られるような工夫が大切です。
1つずつ見ていきましょう。
やることリストを作る
やることリストを作る=目標の設定です。目標がなければ「成功」を経験できません。
目標を立てるときは「〇時間、勉強する」という時間の目標ではなく、「ワークを5ページやる」や「数学の問題を10問解く」など勉強する内容で具体的な目標を立てましょう。
時間目標でも達成感を得られますが、経過した時間の割には勉強が進んでいないこともありますし、勉強した内容よりもやったという事実だけに満足してしまう場合もあります。
やることを具体的にすれば身になる勉強ができます。何をしていいかわからないという状況に陥る心配がないのでおすすめです。
好きな科目・得意な科目から勉強する
勉強する際は、好きな科目や得意な科目から取り組むといいでしょう。
好きな科目・得意な科目をはじめにやることで、問題が解きやすく、勉強のモチベーションを維持しやすくなります。
嫌いな科目や苦手な科目から取り組んでしまうと、気分が乗らず勉強をやりきる前に投げ出してしまうかもしれません。そうなると、成功体験を積み重ねることはできないでしょう。
最初に子どもが得意な科目で成功体験を経験させることで、その後の苦手科目の勉強にも取り組みやすくなります。
リストにチェックを入れる
やることリストに挙げたものが達成できたら、リストにチェックを入れましょう。
書き出した項目全部にチェックを入れることで、子ども自身が考えた目標に対して行動できたという成功体験の1つとなるからです。
最初は確実に達成できる易しい目標から始めるといいでしょう。
やることリストの全項目にチェックを入れて「できた」という自信が次につながりますし、自分で決めたことをすべてやりきるという習慣づけにもなります。
成功体験を積み重ねた先にある可能性
成功体験を積み重ねた先には、さまざまな可能性があります。
ここでは、さらなる成長や幸福感につながると期待される、2つの可能性についてお伝えします。
成功を通じて得られる知識や経験は、その後の人生にも大きく影響します。1つずつ見ていきましょう。
良い結果を出しやすくなる
成功体験を積み重ねている子どもは、何事に対しても良い結果を出しやすくなります。
成功体験を積み重ねることで、ドーパミンが分泌し、やる気がアップするということをお伝えしましたが、ドーパミンをうまく活用できると、以下のような成功するサイクルができます。
成功体験による「喜び」
↓
ドーパミン分泌
↓
意欲、やる気アップ
↓
次の目標に取り組む
このサイクルにより、目標に対する精神的ハードルは下がり、さらなる良い結果を自ら求め努力するようになります。
成功を経験することで成功するための方法を理解し、新たな目標、課題にも生かすことができるので、良い結果につながりやすくなるでしょう。
行動力が増す
成功体験を積み重ねると、積極的に行動できるようになります。
成功体験があると、行動のその先にある結果をポジティブに考えることができるからです。
また、もし失敗しても成功の糧となることを学んでいるので、行動を起こすことに対するハードルが高くありません。
「自分ならできる」という自信もつくので、より積極的に行動ができるでしょう。
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まとめ
日々の小さな成功体験が、子どもの勉強に対する意欲につながります。子どもの成功体験には、親のサポートが欠かせません。
些細なことから始めて「やればできる」という経験を何度もさせてあげてください。その経験が自信となり、自ら勉強しようという意欲となります。
また、成長した部分を見つけて褒めてあげましょう。子どもは結果に目がいきがちなので、結果までの過程を認めて褒めてあげられるのは近くで見ている親です。
子どもが「勉強してよかった」と思えるようにサポートしてあげましょう
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